知っておきたいインクの染み抜き方法まとめ。効果的な落とし方を種類別に解説
大切な服にインクのシミが付いてしまったら、早くきれいに落としたいですよね。「自宅で染み抜きできるの?」「どんな道具が必要?」といった疑問を持つ方へ、今回は自宅でできるインクの染み抜き方法をご紹介します。インクの種類別に落とし方を解説するので、参考にしてみてください。
衣類にうっかり付いたインク、自宅で染み抜きできる?
ボールペンや万年筆を使っているとき、服にインクが付くと焦りますよね。インクが滲んだ文字に袖口が触れたり、ペンを膝の上に落としてズボンが汚れたり...。つい「クリーニングに出さなきゃ!」「シミが落ちなかったらどうしよう」と焦ってしまいますが、服に付いてしまったインクを、クリーニングに出さなくても自宅で染み抜きできる方法があるんです。
インクを早く落とそうとゴシゴシ擦ってしまうと、かえって汚れがひどくなるので要注意。きれいに染み抜きするには、正しい方法で行うことが大切です。まずは落ち着いて、以下の染み抜きの手順を踏んでくださいね。
- インクの種類と衣類の素材をチェックする
- インクに合った染み抜きグッズを用意する
- 手洗い後洗濯機で洗う
インクの染み抜き手順
インクには「水性」「油性」「ゲルインク」といった種類があります。それぞれ染み抜きの方法が異なるため、まずは使っているペンのインクがどの種類か確認しましょう。また、自宅で染み抜きできる衣類は"水洗いOKなもの"に限られます。服の洗濯表示も忘れずにチェックしてくださいね。
ボールペンのインクの種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。それぞれのインクの特徴が分かりやすく紹介されています。
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それでは、インクの種類ごとに効果的な染み抜き方法をご紹介します。アクシデントが起きても対応できるように、インクの正しい落とし方を覚えておきましょう。
水性インクの染み抜き方法
水に溶けやすい水性インクは落としやすいかと思いきや、実はインクが乾くと服に定着して落としにくくなるんです。まずは基本的な落とし方を試してみて、それでもシミが落ちない場合はより強力な方法を取りましょう。
基本的な落とし方
- 中性洗剤
- 歯ブラシ
- タオル
用意するもの
- 服の下にタオルを敷き、中性洗剤をかける
- 歯ブラシでシミ部分を叩いて染み抜きする
- 水ですすぎ洗いし、洗濯機へ
水性インクの基本的な落とし方
水性インクの染み抜きには、食器洗い用の中性洗剤を使うのがおすすめです。身近なアイテムでシミが取れるのはうれしいですよね。洗濯用の弱アルカリ性洗剤でも落とせますが、洗浄力が強く衣類を傷めることもあるので要注意。中性洗剤なら、デリケートな洋服にも使えますよ。
まず、服を裏返してシミの下にタオルを敷きます。こうすると、インクを落とすときにタオルで汚れを受け止められますよ。次に歯ブラシを使って染み抜きしていきますが、ここで重要なのは絶対に擦らないこと。トントンと叩いて、インクをタオルに移す感覚で染み抜きしてくださいね。
シミが取れてきたと感じたら、水ですすいで汚れ落ちをチェックします。もしシミがあまり落ちていないようなら、再び1・2のステップを繰り返しましょう。
頑固なシミに効果的な落とし方
- 還元系漂白剤または酸素系漂白剤
- 洗面器
用意するもの
- 40度ほどのぬるま湯に漂白剤を混ぜる
- シミ部分を浸して30分ほどつけ置きする
- 漂白剤をすすいで洗濯機へ
つけ置き洗いの手順
手ごわいシミにはつけ置き洗いがおすすめです。「還元系漂白剤」は木綿やウール、絹などいろいろな素材に使えますが、色ものはNGなので要注意。白い服以外は、色落ちの心配がない「酵素系漂白剤」を使いましょう。
製品に書かれている表示通りの量をぬるま湯に混ぜたら、あとは服をつけ置きするだけでOK。作業時間が少なく、手軽に染み抜きできるのはうれしいですね。漂白剤を使うときは、肌が荒れないよう手袋を着けることもお忘れなく。
油性インクの染み抜き方法
油性インクは水に強いため、落としにくいイメージがあるかもしれません。しかし、油性汚れに効果的なグッズを使えば自宅できれいに染み抜きができますよ。クリーニングに出すしかない...と諦めずに、以下の落とし方を試してみてください。
- 消毒用アルコールまたはクレンジングオイル
- 歯ブラシ
- タオル
用意するもの
- 服の下にタオルを敷き、溶液を染みこませる
- 歯ブラシでシミ部分を叩いて染み抜きする
- 水ですすぎ洗いし、洗濯機へ
油性インクの落とし方
最近は、手や室内の消毒用にアルコールを常備している方も多いはず。アルコールは油性インクを浮き上がらせるため、染み抜きに効果的なんです。また、クレンジングオイルも油性汚れを落とす上で役立ちますよ。
アルコール、またはクレンジングオイルをかけてインクが浮いてきたら、歯ブラシで叩いて染み抜きします。水性インクのときと同じように、擦るのではなく叩くことを意識しましょう。水ですすぐときも、インクが他の部分につかないよう注意してください。
万年筆インクの染み抜き方法
万年筆インクは、服に付くリスクが最も高いと言えるかもしれません。文字を書いているときや、ボトルからインクを入れる途中で気付いたらシミが付いていた...ということもありますよね。そんなときは、身近な洗剤を使って染み抜きしましょう。
- 中性洗剤
- 重曹
- 洗面器
用意するもの
- 中性洗剤をシミ部分にかける
- ぬるま湯を溜めて重曹を溶かす
- 衣類を浸してもみ洗いし、洗濯機へ
万年筆インクの落とし方
万年筆インクは水性なので、中性洗剤で落とすことができます。それに加えて、掃除道具として人気の重曹も使うと洗浄力がアップ!服が浸かる量のぬるま湯に重曹を溶かして、シミ部分をもみ洗いしましょう。このとき、溶け残った重曹をシミに付けながら洗うのがポイントです。
この方法は、水に溶ける「染料インク」に効果を発揮します。水に強い「顔料インク」や「古典インク」はきれいに落ちない可能性があるので、その場合は無理せずクリーニング店に任せてくださいね。
万年筆インクの特徴についてもっと知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。万年筆インクの種類や選び方が紹介されています。
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外出先で覚えておきたい。応急処置のポイント
外出先ですぐに染み抜きできない状況でも、そのまま放置するのはNG!シミは時間が経てば経つほど落としにくくなるため、スピーディーに応急処置をすることが大切です。水性インクの場合、シミが付いた部分の裏にティッシュをあてて表面を濡らしたハンカチで叩くと◎。
油性インクの場合は濡らしても落ちないので、乾いたハンカチやティッシュでシミ部分をつまんでください。インクが染みこむ前にある程度取り除ければ、その後の染み抜きが楽になりますよ。また、消毒用のアルコールジェルがあれば、シミに付けてティッシュで叩くのもおすすめです。
応急処置はあくまでも一時的な対処法です。帰宅したらすぐにインクの種類に合った染み抜きを行ってくださいね。
正しい染み抜き方法で、衣類をきれいにしよう
自宅で行えるインクの染み抜き方法をご紹介しました。家にある道具で落とせるんだ!という発見があったかもしれません。もし今回取り上げた方法で落ちない場合は、クリーニングに出すのがおすすめです。大切な服を傷めないよう、適切な方法で染み抜きを行ってくださいね。