万年筆の《裏抜け問題》気になる原因からおすすめのインクや紙をご紹介
万年筆で紙に文字を書いた際、裏のページにインクが写ってしまった経験はありませんか?万年筆の裏抜け問題を解決して、なめらかな書き心地をじっくり楽しみたいですよね。今回は、万年筆が裏抜けしてしまう原因や対処方法、おすすめのインクや紙ものをご紹介します。
万年筆の裏抜け問題とは?
万年筆の美しいフォルムや、カリカリとペン先を走らせる書き心地に魅了される方も多いのではないでしょうか。また、万年筆はボールペンよりもインクが出やすいので、あまり筆圧をかけずに書くことができます。
一方で、万年筆で紙に文字を書くと、インクが裏のページにまで写ってしまう場合があるんです。紙質やインクの種類によっては、特に裏抜けしやすくなってしまいます。
万年筆の愛用者にとって、この裏抜け問題は悩みの種。初めて万年筆を使う方も、裏抜けの心配をすることなく、万年筆で書く時間を楽しみたいですよね。そこで、万年筆のインクが裏抜けする原因と、裏抜けを防ぐ方法についてご紹介します。
万年筆のインクが裏抜けする原因
万年筆のインクが裏抜けしてしまうのは、インクの出る量、いわゆるインクフローが多いからだといわれています。液状のインクがペン先から多量に流れ出るので、どうしても紙にインクが染み込みすぎて裏抜けする、というわけです。
インクフローが良いからこそ、なめらかに書けるところが万年筆の魅力である反面、裏抜けやにじみの原因にもなってしまいます。そのため、手持ちの万年筆をチェックして、インクフローを調整するのがカギとなります。また、裏抜けしないインクや紙を選んで使う工夫も大切です。
万年筆で筆記するには、インクが欠かせません。こちらの記事では、万年筆初心者にもわかりやすいように、インクの選び方と使い方を解説しています。
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万年筆のインクが裏抜けしない方法
ここからは、万年筆のインクが裏抜けしない方法について、具体的にご紹介していきます。万年筆本体やインク、紙質に注目して、裏抜けの悩みとさよならしましょう。
万年筆のペン先をチェック
万年筆は、ペン先が太くなるほどインクフローも多くなってにじみやすい、という性質を持っています。万年筆のインクが裏抜けするのを防ぐには、細字(F)や極細(EF)など、ペン先の細いものを選ぶといいですよ。
また、愛用している万年筆で裏抜けが気になる場合、ペン先を調整してもらってインクフローを減らすのも効果的な方法です。
万年筆の使い方を意識して
万年筆の使い方を意識することで、インクの裏抜けを防ぎましょう。
万年筆はインクフローが多い分、筆圧をかけて文字を書くと、裏抜けする原因になってしまいます。また、文字を書くスピードがゆっくりすぎても、インクがにじんでしまうかも。万年筆を持つときには手の力を緩め、リラックスしてみて。ペン先を軽やかに動かすようにイメージすると◎。
裏抜けしにくいインクを選ぶ
万年筆のインクにはいくつか種類があり、それぞれ特徴も異なります。なかでも染料インクは扱いやすく、主流となっていますが、水性なので裏抜けしたりにじんだりする可能性が高いです。
一方で、耐水性のある顔料インクは染料インクよりもにじみにくいといわれています。ただし、顔料インクは水に溶けにくいので、万年筆を丁寧にお手入れするように心がけてくださいね。
また、古典インクと呼ばれるタイプも裏抜けしにくいそうです。古典インクとは、鉄分を含んだ強酸性のインクのこと。古典インクを取り扱うメーカーは少なくなっていますが、裏抜けを防ぎたい方にはおすすめですよ。
紙質にもこだわって
「裏抜けは避けたいけれど、お気に入りの万年筆やインクを使い続けたい!」と思う方もいるはず。そこで、万年筆と併せて使う紙の質を厳選するようにしましょう。
紙にある程度厚みがあれば、万年筆のインクが裏抜けするのを防げます。また、インクをしっかり吸着して速乾性に優れていることも、裏抜けしにくい紙質のポイントです。ノートや手帳のなかには、裏抜けしにくいと評判のアイテムも増えているので、ぜひチェックしてみて。
万年筆の裏抜け問題におすすめの文具
万年筆の裏抜け問題は、インクや紙質を変えることで解決できるかもしれません。万年筆のインクが裏抜けして悩んでいる方は、ここでご紹介する文具を試してみてくださいね。
伝統と気品を感じさせる「ボトルインク4001 ブルーブラック」
裏抜けしにくいインクとしておすすめしたいのが、「ペリカン」の「ボトルインク4001」です。
質の高い筆記具を生み出しているペリカンは、老舗文具メーカーとして世界中で愛されています。そんなペリカンで、ロングセラーとなっている「4001」シリーズ。改良を重ねるなかで、鮮やかな発色と安定したインクフローを実現しました。
豊富なカラーバリエーションのなかでも、「ブルーブラック」は古典インクの成分で製造されています。古典インクの特徴は、なんといっても裏抜けしにくいところ。シックで味わい深いブルーブラックのインクなら、見慣れた自分の文字に美しい気品を与えてくれそうです。
万年筆インクボトル 4001
Pelican(ペリカン)
¥1,320(税込・参考価格)
デザインも機能も備えた優等生の「ノーブルノート」
万年筆のインクが裏抜けしにくいノートを選ぶなら、「ノーブルノート」はいかがでしょうか。こちらは、文具メーカー「LIFE(ライフ)」と新日本カレンダー社が展開するブランド「kleid(クレイド)」のコラボレーションアイテム。
ノートの本紙には、ライフのオリジナル用紙「Lライティングペーパー」を使用しています。なめらかな手触りで、長期保存にも適した中性紙は、インクによるにじみや裏抜けが少ないところが魅力です。また、インクの色を引き立てるホワイトと、柔らかいコントラストを演出するクリーム、2種類の用紙が用意されていますよ。
さらに、ノートのレイアウトはクレイド独自の2mm方眼。文字はもちろん、図やちょっとしたイラストも書きやすくなっています。おしゃれな大学ノートのようにデザインされたノートと万年筆を合わせて、優等生気分を味わってみて。
ノーブルノート A5サイズ
ライフ×クレイド
¥1,210(税込・参考価格)
万年筆で書きたくなる手帳「EDiT(エディット)」
「MARKS(マークス)」の「Edit(エディット)」は、万年筆のインクが裏抜けしにくい手帳として人気のアイテムです。
毎日使う手帳だからこそ、書きやすさにこだわりたい。そんな思いのもと、手帳のためにオリジナル用紙を開発。ページを軽くめくれて、インクの裏抜けもしにくい紙質となっています。
また、自由度の高い1日1ページのレイアウトは、スケジュールだけでなく日記やライフログを書き残すのにもぴったり。手帳を使う目的に合わせて、自分らしい1冊に育てていって。お気に入りの万年筆とインクで書き込めば、手帳時間がもっと充実しますよ。
Edit 2023年 4月始まり
MARKS
¥3,740(税込・参考価格)
手帳と一緒に万年筆を使うなら、その相性にもこだわってみませんか。こちらの記事では、手帳用としておすすめの万年筆を紹介しています。
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万年筆の裏抜けしない書き心地を楽しんで!
万年筆の裏抜け問題は、愛用者にとっても初心者にとっても、大きな悩みとなりがちです。万年筆のインクが裏抜けしないようにするには、インクフローやインクの種類、紙質に注意してみて。インクが裏抜けしにくいポイントを押さえて、万年筆の心地良い書き味を思いっきり楽しみましょう。