冬を味わう美しい季語をご紹介。肌寒さを風情にかえて、季節を楽しもう
風情豊かな日本の冬には、その風景や情景を表す美しい季語がたくさんあります。そんな季語を知って、日本の冬をより深く味わってみませんか?ここでは、冬の寒さや風景を表す美しい季語や冬のことわざ、有名な俳句などを紹介します。美しい季語を用いて、大切な人に手紙をしたためてみてください。
季語を通して楽しむ、美しい日本の四季「冬」。
日本の冬には、美しい季語がたくさん存在しています。でも、そもそも季語ってなんなの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
季語は、俳句や時候の挨拶で使われる季節を表現する言葉のこと。日本人は、冬の景色から寒さを感じる様子まで、細やかな部分を美しい言葉で表現してきました。
そんな奥深く美しい季語を使いこなせるようになれば、きっと豊かな表現力が身につきますよ。会話や手紙にさり気なく入れてみたり、俳句作りにチャレンジしてみたりと、日本の冬をもっと楽しんでみませんか?
日本の美しい冬を表現した季語と、その意味
ここからは、美しい冬の季語とその意味を「寒さ」と「風景」に分けてご紹介します。さまざまな表現を楽しんでくださいね。
冬の「寒さ」を表現する季語
冬の季語といっても、期間は立冬から立春までの11月7日頃〜2月5日頃まで。11月は秋のイメージがありますが、季語を用いる際は冬になりますよ。
長い冬の期間を3つに分けると、初冬・仲冬・晩冬になり、これを三冬といいます。まずは、冬の寒さを表現する季語をみていきましょう。
【初冬】(立冬から大雪の前日まで)
- 11月から12月の肌寒い時期に、不意にやってくる温かくのどかな日。寒い日が続き、ときどき訪れる暖かい日にホッとする季語。
小春日和
- まだ冬に入ったばかり。晴れたり曇ったりする時期で、肌寒かったり暖かかったりする時期のこと。
冬浅し(ふゆあさし)
- 秋が終わり冬の始りを感じさせる、冷たい風のこと。木を枯らす風という意味を持っています。
木枯らし(こがらし)
- 秋が終わり冬の始まりを感じさせる、冷たい風のこと。木を枯らす風という意味を持っています。
木枯らし(こがらし)
【仲冬】(大雪から小寒まで)
- 冬になり始めて雪が降ること。寒さの深まりを感じる季語。
初雪(はつゆき)
【晩冬】(小寒から立春まで)
- 寒い日が3日続いて4日暖かい日が続き、また寒さが続く。交互に続く寒暖差に、春を待つ気持ちが表現された言葉。
三寒四温(さんかんしおん)
【三冬】(立冬から立春まで)
- 霜が降りる夜、しんしんとした静けさと寒さを表現した美しい季語。
霜の声(しものこえ)
- 冬の寒さを感じつつも、太陽の光は暖かく感じる、美しい晴れた日の様子。
冬麗(ふゆうらら)
- 冬の朝早い時間帯、夜の寒さが残っていて薄暗い様子。少しずつ夜が明けていく様子が感じられる美しい季語。
冬暁(ふゆあかつき)
冬の「風景」を表現した季語
冬の空気は、シンと静かで澄み渡っていますよね。目に映るもの全てが息を潜めているように見えます。ここからは、そんな冬の風景を表現した季語をみていきましょう。
【初冬】
- 冷たい風に吹かれても散らずに残り、一段と深みを増した美しい紅葉のこと。
冬紅葉(ふゆもみじ)
【晩冬】
- 晴天の空からひらひらと雪が舞う美しい冬の様子。
風花(かざはな)
- 冬の暖かい日に、草木の芽が萌え出る様子。春を待ち焦がれる美しい季語。
冬萌(ふゆもえ)
- 降り積もった雪が反射して、夜でも明るく美しい輝きを感じる様子。
雪明り(ゆきあかり)
【三冬】
- 枯れ木の上や隙間から見える星のこと。冷たく輝く星と枯れ木の組み合わせが冬らしい美しい季語。
枯れ木星(かれきぼし)
- 冬の空気が乾燥しているころ、強く吹く風のこと。「空っ風」とも言う。
空風(からかぜ)
- 土の中の水分が地上へ上昇するとき、地表のすぐ下で凍って土を押し上げて、まるで小さな柱のようになる現象のこと。
霜柱(しもばしら)
冬を表現したことわざと、冬を感じさせる俳句
ここからは、「冬にまつわることわざ」と「冬を感じさせる有名な俳句」を一覧で紹介します。日本人は、長い冬にさまざまな想いを馳せていたんですね。
冬にまつわることわざ
- 雪も白鷺も白いので、見分けがつかない、目立たないという意味です。
雪に白鷺(ゆきにしらさぎ)
- あまりにも対照的な二つの物事のこと。正反対で比較にならないという意味です。
雪と墨(ゆきとすみ)
- 雲が少ない夜は美しい月が見えますが、そんな日は大霜が起こりやすいという意味です。
月夜の大霜(つきよのおおしも)
- 昼の長さが一番短い冬至を過ぎると、畳の目くらい少しずつ日が長くなっていくという意味です。
冬至から藺の節だけ伸びる(とうじから いのふしだけ のびる)
冬を感じさせる季語が美しい俳句
- 寒い冬の空に美しい月が見える。門がない小さな寺はさえぎるものがなく、天が高くみえるなぁ。
「寒月や 門なき寺の 天高し」与謝野蕪村
- 太陽の日差しが当たる石は、温かいかと思い触ってみると冷たかった。
「日のあたる 石にさはれば つめたさよ」正岡子規
- 遠くに見える山には夕日が当たっているけど、近くの枯れ野はもう日が暮れている。
「遠山に 日の当たりたる 枯れ野かな」高浜虚子
- 冬の初めに、春のような温かく穏やかな日に恵まれて、まるで宝石のようでしたよ。
「玉の如き 小春日和を 授かりし」松本たかし
美しい冬の季語を書くときに使いたいアイテム
せっかく美しい冬の季語を文字にするなら、素敵な文具を使いたいですよね。ここからは、冬を感じる美しいアイテムをご紹介します。
冬の季節を表す単語が名前になった、万年筆インク
こちらは、台湾の老舗筆記具ブランド「IWI」の二十四節気がモチーフの万年筆用インク。カラーオブネイチャーをコンセプトにしていて、その色彩に思わず心ときめいてしまいます。
ボトルのデザインは実際のインクの色で描かれているんですよ。二十四節気の単語がボトルの全面に書かれていて、冬のインクにぴったりです。
こちらのインクボトルは、「霜降」の他に「冬至」や「小雪」など、全部で12種類。使いたい季語や俳句に合わせて使い分けると風情が増しますね。冬の美しい季語を、手帳や手紙、ノートなどに書いてみませんか?
ボトルインク30ml
IWI アイダブリュアイ
¥2,200(税込・参考価格)
シルエットが美しい、冬の日の枝が描かれたポストカード
こちらは「TOMOKO SHINOZUKA」の「冬の日の枝」というポストカード。きめ細かな風合いの紙に、のびのびとした木の枝が描かれています。葉っぱがすっかり落ちて少し淋しい雰囲気の枝も、そのシルエットこそが美しい、と気付かされますね。
裏の宛名を書く面にも、かわいい小鳥が木の実をくわえて佇んでいます。冬の美しい季語を取り入れた素敵なメッセージを書き込んで、大切なあの人へ冬のお便りを出してみませんか?きっともらった相手も喜んでくれるはず。
Post Card(冬の日の枝)
TOMOKO SHINOZUKA
¥165(税込・参考価格)
美しい日本の冬を感じさせる季語を知って、表現を豊かにしよう
冬を感じる日本の美しい季語やことわざ、俳句などを一覧にしてご紹介しました。改めて日本の言葉の美しさを感じられましたね。季節を感じる単語の意味を知ることで、自分の言葉の幅や表現が広がります。ぜひ季語を通して「冬」をもっと楽しみましょう。
冬の季語に合わせた手紙の書き方も知りたい!という方は、こちらの記事を読んでみて。冬の手紙の書き出し例文をご紹介しています。