【夏】の情景を表す美しい季語9つ。意外と知らない言葉の意味・使い方を解説
夏は暑いけれど、美しい風景に魅了される方も多いのではないでしょうか。夏ならではの風情を表現するには、季語がおすすめです。文章に季語を盛り込めば、夏の自然はもちろん、季節の移ろいも伝えられますよ。今回は、夏の情景を表す美しい季語について解説します。
夏の情景を表す美しい季語って?
日本には四季があり、季節ごとに美しい情景を目にすることができます。例えば夏なら、青空に広がる入道雲や生い茂る緑の山々、眩しいほど降り注ぐ陽射しが思い浮かぶのではないでしょうか。そこに蝉の声が響き渡ったり、風鈴が風にそよいで涼し気に鳴ったり…五感で捉える夏には、どこか懐かしさも感じられます。
そんな情緒あふれる夏のイメージを日本語で表現したいときには、「季語」を使ってみて。季語は季節を表す言葉として、主に俳句や連歌の中に盛り込まれます。また、手紙の時候の挨拶に用いられることも多い言葉です。
手紙や暑中見舞いの文面で夏の季語を使えば、夏ならではの季節感を添えられますよ。さらに、美しい夏の季語によって、遠く離れた相手との心の距離も縮まりそう。季語の意味や使い方を知って、自分らしい夏の挨拶を届けてみませんか?
夏に暑中見舞いを受け取ると、相手の気遣いがありがたく思えますよね。そんな感謝の気持ちを込めて暑中見舞いの返事を書きたい方は、こちらの記事でマナーや例文をチェックしてみてください。
関連記事
夏の美しい情景を表す季語9つ
ここからは、夏の自然や夜、そして夏の終わりを表現する美しい季語を9つ取り上げます。
夏の綺麗な自然にまつわる季語
山滴る(やましたたる)
「山滴る(やましたたる)」とは、夏の山を表す季語のひとつ。山に茂る草木の緑が陽射しを浴び、滴り落ちる雫のように生き生きと煌めく様子が連想されます。自然の力強さや生命の息吹がイメージできるとともに、爽やかさも伝わってきますよね。
また、春には「山笑う」、冬には「山眠る」など、山にまつわる季語は四季に合わせて変化します。美しい季語を覚えるほど、季節の移り変わりがもっと身近に感じられますよ。
蝉時雨(せみしぐれ)
蝉が鳴き始めると、夏の訪れを実感する方も多いはず。「蝉時雨(せみしぐれ)」という季語は、まさに夏らしいフレーズです。
たくさんの蝉がいっせいに鳴く音は、降ったりやんだりするにわか雨のように聞こえませんか。音のシャワーを時雨にたとえることで、夏の暑さにも風情が漂います。言葉で夏を感じたら、実際に蝉時雨を聞きに出かけるのも、素敵な夏の過ごし方です。
影涼し(かげすずし)
「影涼し(かげすずし)」とは、影が涼しい様子を率直に表しています。歩くだけで汗が噴き出てくるような暑さの中では、つい日陰が恋しくなりますよね。建物や木々の影に入り、ほっとひと息ついた経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
そんな何気ない日常のワンシーンも、季語で言い換えると表現の幅がぐっと広がります。ぜひ俳句や時候の挨拶に取り入れてみてください。
夏の夜を綺麗に表現する季語
夏の宵
太陽が沈むと、日中の暑さも少しやわらいで過ごしやすくなります。「夏の宵」とは、ちょうど日が暮れた頃のこと。夜になり切っていない時間帯にあたり、一日の終わりに向けて思い思いに過ごす方が多いのではないでしょうか。自宅でのんびりくつろいだり、友人と集まって食事をしたり…それぞれ夏の宵を楽しみながら、美しい季語で思い出を彩ってみて。
夜半の夏(よわのなつ)
昼と比べて涼しい夏の夜には、寝るのが惜しくなって夜更かしをしてしまいがちです。「夜半の夏(よわのなつ)」には、過ぎ去る夜のひとときを名残惜しく思う気持ちが込められています。短い夏の夜だからこそ、自分の好きなことに浸ってみてはいかがでしょうか。
宵蛍(よいぼたる)
「宵蛍(よいぼたる)」とは、宵の頃に見かける蛍のことです。有名な「枕草子」では、趣のある夏の情景として夜に飛ぶ蛍が登場します。蛍は、昔から日本人にとって美しい夏の象徴だったんですね。「宵蛍」という単語ひとつで、夜の闇に浮かんでは消える、儚くも美しい蛍の姿を表現できます。
夏の終わりを綺麗に表現する季語
夏の果(なつのはて)
「夏の果(なつのはて)」は、夏の終わりを示す季語です。暑かった夏もいよいよ終わるかと思うと、なんだか切なくなってくるかもしれません。夏を惜しむ気持ちは美しい季語にそっと託して、この夏にあったできごとをひとつずつ振り返ってみませんか。
涼風(すずかぜ)
「涼風(すずかぜ)」は夏の終わりに吹く涼しい風を意味し、俳句にもよく用いられる季語です。夏という単語を使わずに季節の移り変わりを表現できるところが、美しい季語の魅力のひとつ。涼風が吹いたら夏に別れを告げ、秋を迎える心の準備をしたいですね。
秋隣(あきどなり)
「秋隣(あきどなり)」には秋という言葉が使われていますが、夏の季語にあたります。天候や気温から秋も近いと感じられる時期のことを指し、夏の終わりを表すのにぴったり。季節の区切りを大切にする気持ちは、日々の暮らしを豊かにしてくれますよ。
夏の美しい季語を綴りたい文具
夏の季語は、どれも美しい情景に思いを馳せたくなるものばかりです。ここでは、ご紹介してきた夏の季語を使うのにおすすめの文具を集めました。
夏の思い出を語るレターセット
こちらは、夏らしいモチーフをちりばめた「G.C.Press(ジー・シー・プレス)」のレターセットです。「夏遊」という名前の通り、夏の風物詩である花や小物のイラストが、やわらかな和紙の上で色鮮やかに引き立ちます。
朝顔やかき氷、夏の空やお祭り…。夏らしいイラストがたくさん描かれていて、読み手側もワクワクした気持ちになりそう。1枚の便箋が、絵日記のように夏休みの思い出を呼び起こしてくれそうです。
レターセット 夏遊
G.C.PRESS(ジー・シー・プレス)
¥495(税込・参考価格)
透明感が美しい、おしゃれなレターセット
続いて紹介するのは、「GreenFlash(グリーンフラッシュ)」の「トウメイレターセット」。素材の透け感を活かした「KOHAKU」シリーズは、指先から涼しさを感じられそうなデザインです。おしゃれなトレーシングペーパーの封筒には宛先シールが貼られていて、使いやすいように配慮されています。
クリア素材の便箋をゆったりと泳ぐシロクマやペンギンのイラストに、心がほっこり癒されます。このレターセットなら、受け取った相手が暑い夏を楽しく乗り越えられるのではないでしょうか。
KOHAKU トウメイレターセット<polar>
GreenFlash(グリーンフラッシュ)
¥550(税込・参考価格)
夏といえば、海や貝殻など、涼を感じられるおしゃれなモチーフに惹きつけられませんか?こちらの記事では、暑い日の作業もすいすい捗るマリンモチーフの文具を紹介しています。
関連記事
季語で美しい夏のシーンを見つめて
夏の季語は、私たちの心の中に美しい情景を描いてくれるものです。自然の風景や夜の様子を表したり、夏の終わりを捉えたり…美しい季語を使うことで五感が研ぎ澄まされ、表現力も身につきますよ。たくさんある夏の季語から、想いが伝わるひと言を見つけましょう。
今回は「夏」の美しい季語についてご紹介しました。もっと季語のボキャブラリーを増やしたいという方は、こちらの記事で「春」の季語をチェックしてみてくださいね。