懐紙で日常に粋を忍ばせて。日常使いにおすすめの使い方やアイテムをご紹介
茶道で使われることの多い懐紙。しかし、懐紙はお茶席以外のさまざまなシーンでも活用でき、暮らしに粋な楽しみを呼び込んでくれます。そこで今回は、懐紙の日常的な使い方やおすすめのアイテムについてご紹介。あまり馴染みがなかった懐紙も、身近なものに感じること間違いなしです。
懐紙ってどんなもの?
「懐紙(かいし)」と聞くと、「茶道で使われる和紙」を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かに懐紙は、お茶席で茶器や口元を拭いたり、和菓子の受け皿にしたりするときによく使われています。
そもそも懐紙とは、二つ折りにされた小ぶりの和紙のこと。昔は着物の懐に入れて持ち歩いていたことから、懐紙と呼ばれるようになったそうです。今でいうところのポケットティッシュやハンカチのようなものだったと思うと、なんだか親近感が湧いてきませんか?
そんな懐紙は、実は茶道だけでなく日常生活の幅広いシーンで活用できるアイテムなんです。
例えば、食事の際に机の上をさっと拭いたり、コースター代わりにコップの下に敷いたり、食べ切れなかったお菓子を包んだり。また、おもてなしの席で懐紙を敷き紙や包み紙として使うのも、粋な心遣いとしておすすめです。
そして、懐紙を傷みや汚れから守るために、懐紙入れも併せて持っておきたいところ。懐紙入れには布や紙といったタイプがあり、色柄のデザインもさまざまです。お気に入りの懐紙入れと懐紙をそっと鞄に忍ばせてみませんか?
懐紙はこんな使い方もできる!
懐紙は「拭く」「敷く」だけでなく、「書く」「包む」といった使い方もできますよ。ここでご紹介するアイデアをぜひ暮らしに取り入れてみてくださいね。
メモやちょっとした手紙として
もともと和紙である懐紙は、文字を書くのにぴったり。もしメモや手帳を持っていなくても、懐紙があれば焦らずメモを残せます。
また、気持ちを伝えたいときに一筆箋やメッセージカードとして渡せば、丁寧で気が利いた印象に。受け取った相手も「これって懐紙なの?」と驚きながら、趣きのある手紙に喜んでくれるのではないでしょうか。
包み紙として
懐紙は、包み紙としてさまざまなシーンで活躍してくれます。
例えば、ちょっとしたお祝いや心付けを用意する際、なるべくむき出しにしたくないと思った経験はありませんか?
そんなとき、懐紙を折ってぽち袋を作れば、相手にさりげなく手渡しできますよ。包みたいものに合わせて、ぽち袋の大きさを調整しやすいのも便利なポイント。
- 懐紙を裏向きにし、左端から3分の1くらいのところで折る
- 残りの部分を右端から折り重ねる
- 懐紙を表に返し、上下を裏側に向けて折り曲げる
- 上下の折りが重なるところを、下側に入れ込む
ぽち袋の基本の折り方
また、個包装のお菓子を包んだり、ギフトボックスにのし紙のように掛けたりすると、上品なラッピングに仕上がります。
さりげなく粋を感じる懐紙と懐紙入れをご紹介
ここからは、暮らしのなかで使いたくなるおすすめの懐紙と、収納アイテムである懐紙入れをご紹介します。
おめでたい柄の懐紙で毎日をちょっと幸せに
最初にご紹介するのは、京都でこだわりの和紙製品を作っている「和詩倶楽部」の懐紙です。
こちらの懐紙に描かれているのは、良いことが起こる前触れとされる吉兆柄。全8種類の吉兆柄は、どれも縁起の良い象徴をモチーフにしています。
- 梅
- 迎兎
- 京七宝
- 藤
- 吉あられ
- 鶴梅
- 南天
- 橘
柄のバリエーション
絵柄は大豆インキで印刷されているので、お菓子や食べ物を直接のせても安全。おめでたい食事の席でこの懐紙を箸置きや箸袋にすれば、テーブルが一層華やぎます。
また、一筆箋としてお祝いのメッセージをしたためるのも素敵なアイデアですよ。懐紙に「いいことがありますように」と相手の幸せを願う気持ちを込めてみてください。
懐紙 同柄30枚入 全8種
和詩倶楽部
¥440(税込・参考価格)
透かし彫りのような風情に見惚れる懐紙
続いて「めでたや」の「Usuwashi 透かし懐紙」をご紹介します。
「めでたや」は、株式会社大直が展開する和紙製品のブランド。紙漉きの伝統を受け継ぎ、日本ならではの文化と美しい四季を和紙で表現しています。
こちらは手漉きの和紙を使用していて、やさしい触り心地が持ち味。触れるたびに、ものづくりと真剣に向き合う作り手の心が伝わってくるかのようです。
懐紙には、繊細な花の透かし模様があしらわれています。
どこか懐かしさを覚えるのは、庭の片隅に咲いた小さな花に似ているからなのか、夏の夜空を彩る花火のように見えるからなのか。懐紙は、暮らしのなかで自分の感性を豊かにしてくれる存在です。
Usuwashi 透かし懐紙 花 10枚入
めでたや
¥715(税込・参考価格)
懐紙とお揃いにしても素敵な懐紙入れ
こちらは「和詩倶楽部」の「懐紙入れ」。紗紙という素材で作られています。紗紙とは襖に使われる紙で、繰り返し使ううちに風合いが変化していくところが特徴。手触りも段々とやわらかくなり、懐紙を使うことが日常に溶け込んでいく様子を物語ってくれます。
6種類の吉兆柄から、自分が心惹かれるデザインを選んでみて。
- 鶴梅
- 麻の葉
- 彩り七宝
- 黒鳶七宝文
- 吉あられ
- 南天
柄のバリエーション
また、先ほどご紹介した「和紙倶楽部」の懐紙とお揃いにして使うのもおすすめ。縁起の良いモチーフを重ねて持っていれば、毎日を明るい気持ちで過ごせそうです。
懐紙入れ 紗紙 全6種
和詩倶楽部
¥3,080(税込・参考価格)
友禅染を着こなす懐紙入れ
「MEDETAYA craft YUZEN」の「懐紙入れ」は、伝統と革新を掛け合わせて生まれたアイテムです。
素材には、水に強く、軽量ながら耐久性の高い「ナオロン」という和紙を使用。使い込むほどに和紙のしなやかさが増し、手に馴染んでいきます。
職人が一つひとつミシンで縫い合わせることで、縫い目が目立たない構造に。さらに、蝶や桜など手染め友禅の古典柄が、鮮やかな配色でモダンに仕上がっています。
懐紙入れの開口部にはふたや留め具を付けず、ぱかっと開きやすいように配慮されています。懐紙だけでなく、通帳やパスポート、チケットのような紙ものなどを入れるのにもぴったりです。
友禅染の着物を着こなすように、鞄に入れて持ち運んでみてくださいね。
懐紙入れ 全4柄 無地懐紙 20枚入り|
MEDETAYA craft
季節の情景と懐紙の柄を重ねて
最後に「和紋」の懐紙をご紹介します。越前和紙を使用した懐紙は、拭いたり敷いたり包んだり、と大活躍。また、四季折々の草花や風景を描いたデザインで、さりげなくも凛とした存在感を放ちます。
柄のバリエーションが12種類もあるので、季節や気分に合わせて使い分けられるのもうれしいですね。ちょっとした包み紙やラッピングに使うだけで、素敵な季節の便りとなってくれます。
懐紙 和柄 30枚入り
和紋
¥440(税込・参考価格)
暮らしのなかで懐紙を使ってみない?
懐紙は、1枚で何通りにも使えるところが魅力のアイテム。茶道はもちろん、日常生活でも役立つシーンがたくさんあります。なかでも「書く」「包む」といった使い方は、普段から気軽に試しやすいのではないでしょうか?懐紙の色や柄、そして懐紙入れにもこだわって、楽しく愛用してみましょう。
懐紙を通じて、和紙についてもっと知りたいと思った方もいるかもしれません。Suuuhには、和紙の特徴や使い方アイデアに関する記事もありますよ!