おしえて、先輩!Suuuh編集部の万年筆談義。愛用中のコレクションを書き比べ
今回は、Suuuh編集部で万年筆談義を開催。万年筆を普段使いしている”万年筆先輩”であるミヒロさんのコレクションをみんなで書き比べて、万年筆に関するあれこれを語り合いました。
万年筆初心者は悩みや関心がたくさん
2023年12月14〜17日に開催された文具女子博へ参戦したSuuuh編集部。そこで、念願の万年筆デビューを果たした編集長のチハルさん。
今回は、そんな”万年筆後輩”なチハルさんと万年筆を普段から愛用している”万年筆先輩”なミヒロさんが、万年筆との出会いや、それぞれが持つ魅力について語り合いました。皆さんも一緒に万年筆の沼に足を踏み入れてみませんか?
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今日は”万年筆後輩”として来ました!文具女子博でやっと1本目の万年筆を手に入れて使い始めたのだけど、インクが切れたらどうすれば…?違う色のインクを使いたいときって…?など、使ってみたからこその悩みがあるのよね。
私も万年筆デビューしたときは同じでした!インクが切れたときに、インクの替え方がわからず、しばらくそのままにしてしまった経験も…。
今持っている万年筆は、もうすっかりお気に入りなんだけど、だからこそ自分が持っている万年筆以外はどんな書き心地なんだろうと気になったり…今、万年筆に対する想いが熱いです!
そんなチハルさんに私のコレクションをぜひ試してほしいです!今日は普段使いしている7本を持ってきました。
\実際に書いている様子はpodcastで聴くことができます!/
どんな万年筆を愛用しているの?使い道も一緒に教えて!
ミヒロさんが愛用している万年筆は、なんと全7本!それぞれの書き心地の違いをSuuuh編集部で書き比べてみました。
①記念すべきデビューは「kakuno」
私の万年筆デビューはPILOTのkakunoです!大学生のときに、友人からプレゼントとしてもらいました。
PILOTのkakunoは初心者向け万年筆特集の記事でも紹介した1本で、まさにデビューにぴったり。
使っているのは発色の良いピンク色のカートリッジ。PILOTのインクの色は定番のブラックに加えて、バイオレットやグリーンなどカラーバリエーションの豊富さが魅力。インクボトルを購入しなくても、さまざまな色のインクを試すことができますよ。
書き心地はカリカリしていて、インクが出やすいため書きやすさ抜群。しばらく使っていなくてもインクが詰まりにくく、使うときの手軽さも魅力です。
私は手帳のメモページに見た映画を記録していて、どこの映画館で見たかを記すのに使っています。発色の良いピンク色のインクは、「ページのここにアクセントが欲しい」ときに便利な1本です。
これがデビューを飾った1本なのね!かわいいピンク色~!発色が鮮やかですね。書き心地はかなりカリカリしています。

KAKUNO
PILOT(パイロット)
¥880(税込・参考価格)
②書く量が多いときに使うのは「LAMY」
LAMYのサファリは紙との摩擦を感じない、サラサラとした書き心地が特徴の1本。書く量が多いときにも疲れを感じずに書くことができます。
合わせているインクはベーシックなブラック。場面を問わず使える汎用性の高さがポイントです。
仕事の打ち合わせ中のメモや手紙を書くときなどによく使う1本です。
1本めのkakunoとはまた全然違いますね!サラサラするする〜と筆が走ります。

万年筆 サファリ
LAMY(ラミー)
¥2,680(税込・参考価格)
③さらさら〜とした書き心地がクセになる「MD万年筆」
続いては、ミドリのMD万年筆。70周年限定で販売された透明軸のものです。
合わせているインクはセットの透き通ったオレンジ色。コンバーターを使用しているので、インクの補充も楽しみの一つです。
万年筆自体は軽めで、書き心地はサラサラとしています。太めのペン先なので、書いているときの安定感も抜群です。
point
コンバーターとは
コンバーターとは、取り外しが可能なボトルインクを吸入する器具のこと。コンバーターをペン軸に装着し、ペン先からインクを補充することができます。
これまた、気持ちいい〜書き心地!インクの色も綺麗で文字の太さもちょうど良い。
粘度が強くないサラサラとしたインクと少し太めの文字が好みで愛用しています。

MD万年筆
MIDORI(ミドリ)
¥2,750(税込・参考価格)
④どっしりとした書き心地のPARKERの「IM万年筆」
ここで今までの3本とのギャップを感じる1本を紹介させてください!
続いて書き心地を試したのは、PARKERのIM万年筆。手に持ったとき、心地よい重みを感じます。メタリックなビジュアルで、洗練されたデザインが特徴です。
ボディのビジュアルがかっこよくて、見た目はこれが一番好み!これまで使ったものの中で一番重みを感じます。
合わせているインクは顔料のブルーブラック。染料インクに比べるとインクの粘度が高めなので、文字をしっかり書きたいときにおすすめです。文字を書いて時間が経つにつれて青みが濃くなり、変化していく過程を楽しめます。
こちらの万年筆は慣れるのに時間がかかりました…。毎日使って仲良くなろうといまだ奮闘中です。

IM万年筆
PARKER(パーカー)
¥7,150(税込・参考価格)
⑤細かい文字を書くならセーラー万年筆の「SHIKIORI-四季織-」
こちらはセーラー万年筆のSHIKIORI_四季織(あかねぞら)。キャップは回して外すタイプで、ぱっと見てペン先が細いことがわかります。
インクはブルーブラックを使用中。落ち着いたグレーがかったネイビーの発色を楽しめます。カリカリとした書き心地で、今回書き比べた万年筆の中で最も極細の線を書くことができます。
こちらは2024年マンスリー手帳に活用中です。字が潰れないので、小さい字をいっぱい書きたいときに向いています。
線がはっきり書けるので、小さい文字を書いてもつぶれないのが良いですね◎。ただ、いつも大きめの文字を書いている私にとっては、ちょっと不安になる極細レベル…!

SHIKIORI 四季織 月夜の水面 / ひさかた あかねぞら
SAILOR(セーラー)
¥3,465(税込・参考価格)
⑥見た目がかわいいKawecoの「スカイラインスポーツ」
Kawecoのスカイラインスポーツはころんとした見た目がかわいい1本。本体色はマキアート、使用インクはキャラメルブラウンとなんともかわいくて美味しそうな組み合わせです。
見た目のかわいさだけではなく書き心地も◎。サラサラもカリカリもどちらも感じる書き心地で、今まで紹介した万年筆の特徴をいいとこ取りしたような1本です。
インクの色がとてもお気に入り。ペン軸が短く丸みを帯びたデザインなので、丸い文字やかわいい文字を書きたいときにおすすめです。
インクの色がかわいくて色名もおいしそう。サラサラ寄りのカリカリな書き心地は、ぜひ体感してほしいです!

スカイラインスポーツ 万年筆
KAWECO(カヴェコ)
¥4,400(税込・参考価格)
⑦滑らかで柔らかい書き味がたまらない。「プレピー×アデリアレトロ」コラボ万年筆
最後に登場したのは、蔦屋書店から販売されたプレピーとアデリアレトロのコラボ万年筆。
中に入れるインクによって異なる表情を楽しめるプラチナ万年筆のプレピーと、昭和時代の食卓を彩っていた懐かしさと温かみのあるアデリアレトロがコラボレーションした1本です。
インクはブルーブラックを使用中。透明感のある濃いブルーのインクとボディの風船柄の組み合わせに心ときめきます。書き心地はサラサラと滑らかで感動を覚えるほど。
キャップを閉めた状態で1年間使用しなくてもインクが乾かない「スリップシール機構」が搭載されているので、初心者でも気軽に使えるのが嬉しいですね。
こちらは以前、文具女子博で購入したもの。レトロなかわいさに心を撃ち抜かれてしまいました。
これ好き!気持ちいい!!「軽さら」と表現して良いのだろうか…さらさらさら〜するするする〜と書けるのがよいですね。
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プレピー
プラチナ万年筆
¥396(税込・参考価格)
チハルさんの万年筆デビューを深堀り

念願の万年筆デビューを果たしたのですが、実はこの1本との出会いは文具女子博が最初ではなかったのです…!
チハルさんが文具女子博で購入した台湾のブランド・TOOLS to LIVEBYのLE CHAT ねこの万年筆。
実はチハルさんがこの万年筆に出会ったのは、遡ること数年前、社会人2年目だったチハルさんが大阪の文具雑貨屋に遊びに行ったときのことでした。
当時は使いこなせるかどうかの不安や価格でのハードルがあり、購入を断念したチハルさん。その出会いがずっと忘れられず、心に残っていたのだそうです。
そして先日取材に行った文具女子博で、その万年筆と運命の再会。晴れて、万年筆デビューの一本としてお迎えすることができました。
一見マーカーのようにも見えるボディですが、いざ持ってみると、金属を感じるひんやりとした手触りと重みにギャップを感じます。インクはブラックを使用中。柔らかい書き心地と太めの線で、文字を書いていると心にゆとりが生まれそうです。
万年筆先輩のミヒロさん、私の万年筆も使ってみてください!デザインと書き心地が抜群にお気に入りなことに加えて、箱のかわいさもたまらないのです。
万年筆のしっかりとした重みは、気持ちを込めてじっくり文字と向かい合いたくなりますね。箱も万年筆自体も、ギフトでもらえたら好きになってしまうかわいさだ~。
今はメモを取るのに使ってみています。太めの文字で柔らかい書き心地は、ついついスペースにもゆとりを持って書いてしまって、紙の消費率がぐんぐん上がる…(笑)メモを取るより、気持ちを込めたお手紙向きかも。

ファウンテンペン 万年筆 猫
TOOLS to LIVEBY(ツールズ トゥ リブバイ)
¥7,700(税込・参考価格)
万年筆を長く愛用するための簡単お手入れ方法
ここからは、ミヒロさんが普段行っている万年筆のお手入れ方法をご紹介します。
万年筆のお手入れは、カートリッジのインクが出なくなったり、インクがかすれてしまったタイミングに行っています。ビニール袋に水とペン軸を入れて一晩つけておき、次の日に洗って乾かすだけです!意外と簡単ですよね。
浅漬け感覚でできるんですね!(笑)洗っている時間が長いと億劫になりそうだけど、それなら簡単そう。
つけおき時間にインクがじんわりと溶けていく様子も綺麗なんです。お手入れ時間も楽しめるのでおすすめです。
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まとめ
8本もの万年筆を目の前に並べて書き比べるのはなかなかできない体験で、Suuuh編集部内は大盛り上がり。書き心地の好みが人によって異なるだけでなく、使うシーンにあわせてインクの色もコーディネートしたくなりました。実に奥深いですね…。
実際に万年筆を触って使い心地を知ると、一見ハードルの高い万年筆を身近に感じることができますよ。チハルさんのように、まずは試しに1本目をお迎えしてみてはいかがでしょうか。
お手軽な値段でも書きやすい商品がたくさんありますので、ぜひ自分だけのお気に入りを見つけてみてくださいね。