絵の具の筆の正しい洗い方って?根元まできれいにお手入れできるコツや保管方法をご紹介
趣味で絵を描いたり、子どものお絵かきなどで使ったりした後の絵の具の筆はどうされてますか?正しい筆の洗い方や保管方法をご存知ない方も多いのではないでしょうか。今回は絵の具の種類ごとに筆の正しい洗い方や保管方法をご紹介します。
知ってる?使い終わった絵の具の筆の洗い方
絵の具を使って楽しく絵を描いたあと、パレットと一緒に洗う筆。使っていくうちに筆の穂先がパサついてしまったということはありませんか?
絵の具の筆は消耗品ではありますが、正しいお手入れの仕方や保管方法を守れば、長持ちさせることができるんです。
絵の具の種類ごとに正しいお手入れの仕方や保管方法を知って、なるべく長く絵の具の筆を使っていきましょう。
絵の具の筆は「絵の具の種類」によって洗い方が違う
絵の具の筆を洗うときには、使った絵の具の種類を確認しましょう。ここからは水彩絵の具、アクリル絵の具、油絵の具の3種類の画材ごとに筆の洗い方を解説します。
筆の洗い方【水彩絵の具】
水彩絵の具の特徴
透明感のある色彩や、グラデーションが楽しめる水彩絵の具。水彩絵の具の成分は、主にアラビアゴムと顔料でできています。
水に溶ける水彩絵の具は水溶性なので、水やぬるま湯でしっかりと洗うことが大切です。たっぷりの水を容器に入れて、筆の穂先から根元までしっかりと振り洗いをしましょう。
- 水彩絵の具のついた筆の穂先を布でふき取る。
- 水洗器などの容器にたっぷりと水やぬるま湯を入れ、筆を根元まで水に浸してしっかりと振り洗いをする。
- 布で筆をふいて、絵の具がつかないかを確認する。このとき布に色がついていたらもう一度振り洗いをする。
- 筆から色が出なくなったら、布で根元から穂先まで絞るように水分を取り筆の形を整える。穂先を下にしてしっかりと乾かす。
洗い方の手順
水彩絵の具を使った筆が固まってしまったときの対処方法
筆が固まってしまった場合、30度以下のぬるま湯に筆を入れて振り洗いをしましょう。水彩絵の具の筆は天然の毛を使っていることもあり、熱いお湯を使うと筆が痛んでしまう可能性があるのでご注意ください。
それでも筆にこびりついた絵の具が落ちないときは、ぬるま湯の中に筆を入れたまま、軽くもみ洗いをします。その際には、指の腹で筆の毛の流れに逆らわないように行いましょう。根元まできちんと絵の具が落ちたら、水分をふき取って、穂先を下にして乾かします。
筆の洗い方【アクリル絵の具】
アクリル絵の具の特徴
アクリル絵の具は、顔料とアクリル樹脂でできているため、乾くスピードが速いという特徴があります。そのため、乾いてしまったアクリル絵の具が筆にこびりついてしまうと、落としにくくなってしまいます。
アクリル絵の具を使った筆は、絵を描いている最中でも乾いてきてしまうため、すぐに水に浸しておく必要があります。いつでも筆を浸しておけるように、作業中は水をためた筆洗器を用意しておきましょう。
しかし長時間筆を水に浸しておくと、筆が劣化するおそれもあります。絵を描く時間が長くなりそうなら、その都度軽く洗い、筆洗器から取り出しておきましょう。
- 筆を洗う前に水に浸したり、軽く洗ったりする。その筆をきれいな水を入れた筆洗器に浸す。
- 筆の根元にも絵の具が残っていることもあるので、何度か水を変えながら、筆を筆洗器の中で振り洗いする。
- 筆専用の固形石鹸を使って水洗いをする。
- 布で水分を絞るようにして拭きとり、筆の形を整え、穂先が下になるようにして乾燥させる。
洗い方の手順
アクリル絵の具を使った筆が固まってしまったときの対処方法
アクリル絵の具は、一度乾くと水洗いでは落とせません。しかしまだ表面が柔らかく完全に乾燥する前であれば、布でふき取り、お湯を使って洗い流すことができます。完全に乾燥してしまったときは、エコリムーバーなどの剥離材を使って絵の具を落とします。
筆の洗い方【油絵の具】
油絵の具の特徴
油絵の具は、顔料とオイル(乾性植物油)からできています。水彩絵の具は水が蒸発することで絵の具が乾くのに対して、油絵の具の場合はオイルと酸素が結合することでキャンバスに定着します。
そのため、油絵の具を使った筆は水では洗えません。専用の筆洗油(ブラシクリーナー)を使って洗います。筆に付いた油絵の具を洗わずそのまま乾いてしまうと、こびりついた油絵の具を除去することは困難になります。筆を使い終わったら、しっかりと洗うようにしましょう。
- 筆についている油絵の具を布やペーパータオルでふき取る。
- ブラシクリーナーを筆洗器に入れて、筆の穂先全体を入れる。
- 筆を筆洗器の底に軽く押し当てながら洗う。
- 筆についたブラシクリーナーを筆洗器の縁で切り、布でふく。
- 布に色がつくようであれば、3〜4を繰り返す。
- 根元からも完全に色が出なくなったら、穂先の形を整えて穂先を下にして乾かす。
洗い方の手順(水性タイプのブラシクリーナーの場合)
油絵の具を使った筆が固まってしまったときの対処方法
油絵の具がついた筆は、完全に固まるまでに2、3日程度かかります。もし完全に乾燥してしまった場合は、剝離剤の「エコリムーバー」をたっぷりとつけて、ラップにくるんで一晩置きましょう。
その後は、筆用の固形石鹸を使ってぬるま湯で洗います。布で水分をふき取り、穂先の形を整えてよく乾かしましょう。
絵の具の筆の保管、どうするのが正解?
筆は穂先の形を整えてから、なるべく穂先が下になるようにして乾かしましょう。そして、筆が完全に乾いた状態で、風通しの良いところで保管します。
穂先を下にして乾燥させるのが難しいようであれば、新聞紙などの上に筆を横にして乾燥させるのも◎。筆は根元に水分がたまると根腐れしてしまう原因になるため、完全に乾燥したことを確認したら、筆立てなどで保管しましょう。
絵の具の筆を使い終わったあとに、あると便利なアイテム
おしゃれに筆を保管しよう。マーブル模様のペンスタンド
こちらは「HIGHT TIDE(ハイタイド)」の「Marbled Pen Stand(マーブルペンスタンド)」です。シンプルですっきりとしたデザインなので、インテリアの邪魔をしません。
濃淡のあるマーブル模様のペンスタンドで、マスタードやグリーンなど落ち着いたカラーバリエーションも素敵。メラミン素材を使っているので、傷がつきにくく汚れにも強いアイテムです。
おしゃれなスタンドで、筆の保管に使えば絵を描くときのモチベーションが上がりそうですね。
ペンスタンド
HIGHTIDE(ハイタイド)
¥660(税込・参考価格)
とっても便利な、4in1の多機能筆洗器
こちらは「YTOPRO」の「筆洗バケツ」です。筆洗いや筆立て、18色パレット、混色スペースの4つの機能が一つになっている、とても便利なアイテムですよ。軽くて丈夫なプラスチック製で、作りがコンパクトなため、あまり場所を取らないのも嬉しいポイント。
筆を洗うバケツは、2槽に別れています。一つは底の部分が梯形構造になっていて穂先を傷めずに洗浄することができます。もう一つは穂先が底に触れない筆置きがあるため、筆を休めるときや水に浸して保管する時にも便利ですね。
取っ手がついているので、持ち運びも簡単。野外で絵を描くことのハードルを下げてくれて、気軽に楽しめますよ。
YTOPRO 筆洗バケツ
¥1,899(税込・参考価格)
絵の具の筆は、正しい洗い方と保管方法で長持ちさせよう
絵の具の筆は、正しい洗い方と保管方法を守ればより長く使い続けることができます。画材によって洗い方が違うので、それぞれの洗い方をよく確認してお手入れしてくださいね。
絵の具の筆を長持ちさせて、愛着のある筆で絵を描くことをより楽しんでいきましょう。
これから水彩画にチャレンジしてみたいという方は、ぜひこちらの記事をチェックしてくださいね。水彩画を始めるときに揃えたい道具や、その選び方のポイントをご紹介しています。