万年筆の正しい保管方法って?お気に入りを長く使い続けるために注意したいこと
するっとなめらかな書き心地と、透き通るようなインクの色合いが魅力の万年筆。とても繊細に作られているため、使った後はきちんとお手入れすることが大切です。この記事では、万年筆の基本的な保管方法や注意点、おすすめの保管グッズをご紹介します。
万年筆を大切に、長く愛用するために。基本の保管方法を知ろう
万年筆は、手軽に使えるボールペンなどとは異なる独特の使用感が魅力です。使う際にはインクを入れるところから始める必要がありますが、そんな「手間」こそが万年筆の魅力のひとつでもあるのではないでしょうか。
万年筆の初心者さんはもちろん、お気に入りの万年筆をすでに愛用している方はおさらいとして。万年筆の正しいお手入れ方法や、保管方法をこの記事で学んでみませんか?
万年筆の保管方法①キャップをきちんと閉めて、インク詰まりを防ぐ
万年筆を使った後は、必ず付属のキャップを閉めるようにしましょう。キャップを閉めずに放置する保管方法だと、インクが乾燥によって固まり、インク詰まりの原因になります。
キャップを付けることはインクの詰まりを防ぐだけでなく、ペン先部分の保護の役割も果たします。万年筆のペン先は一見丈夫そうに見えますが、実は柔らかくデリケート。落としたり、衝撃を与えてしまうと簡単に変形してしまうため、保管方法には注意が必要です。
万年筆の保管方法②ペン先を上向きor横に寝かせて、インク漏れを防ぐ
万年筆のペン先は下向きにせず、上向きまたは横に寝かせる置き方で保管しましょう。なぜなら下向きの保管方法だと、中のインクが漏れることがあるためです。
ペン類をペンスタンドに収納している方は、ボールペンやシャープペンなどは、ペン先を下向きに入れていることが多いはず。「万年筆はペン先が上」と意識するようにしましょう。また横向きの保管方法の際は、ペンケースや小分けにできる収納ケースなどに入れて、衝撃が加わらないようにすると安心です。
万年筆の保管方法③しばらく使わないときは洗浄してお手入れする
万年筆は、定期的に使い続けることでインクがスムーズにペン先へ流れていく仕組みです。反対に、インクを入れたまま使いかけの状態で長期間放置する保管方法を続けていると、インクは徐々に固まってしまいます。頑固なインク詰まりの場合は、ペン先の交換が必要になってしまうことも。
目安としては1週間以上使わない予定の際は、洗浄のお手入れをしてから保管するのがおすすめです。具体的な洗浄の方法は、以下の通りです。
水洗いの基本手順
水洗いの方法は、万年筆のインクの種類によって手順が異なります。この記事では、カートリッジ式と、コンバーター式の2種類についてご紹介します。
すべての手順において、あまり力は加えずやさしく扱うのがポイント。もしお手入れしてもインクが出づらい際は、ペン先の交換を検討することが必要かもしれません。
カートリッジ式
- コップにペン先全体が浸るくらいのぬるま湯を用意する
- カートリッジを本体からやさしく引き抜く
- ペン先をお湯に入れて、1~2時間ほど置く。このとき、すでにインクが固まっている際は一晩ほど。もしお湯に入れてすぐ水がインクで染まった際は、何度かお湯を取り替える
- コップからペン先を取り出し、首軸からペン先に向けて水で洗い流す
- 布などでやさしく水分を拭き取り、完全に乾かす
カートリッジ式の水洗い手順
コンバーター式
- コップにペン先全体が浸るくらいのぬるま湯を用意する
- コップにペン先を浸し、インクを吸入するイメージでコンバーターを回して水を吸入・排出させる
- コンバーターの中にインクが残らないように注意しながら、何度かお湯を取り替えて洗う
- コンバーターを取り外し、入れ替えたお湯にペン先を浸して、ひと晩ほど置く
- コップからペン先を取り出し、首軸からペン先に向けて水で洗い流す
- 布などでやさしく水分を拭き取り、完全に乾かす
コンバーター式の水洗い手順
万年筆の保管方法④保管場所に気をつけて、劣化に注意する
万年筆は、直射日光の当たらない場所に収納する保管方法をおすすめします。日当たりの良い場所ではインクが乾きやすく、日常的に使っていてもインクが詰まる原因になるためです。
また、万年筆本体の素材が木材などの場合は、日光の当たる場所での保管方法だと乾燥してひび割れたり、色があせてしまうことも。万年筆をずっときれいな状態で保つために、劣化しにくい「万年筆を収納する場所」を決めておきましょう。
万年筆の保管におすすめのアイテム
見せる収納として飾れる、木製ペンケース
こちらは家具の生産が盛んな飛騨高山エリアにある家具メーカーが作る、天然木のペンケースです。
木材ならではの重厚感がありつつ、温かみも感じられ万年筆や高級ペンの保管にぴったり。フタはクリアになっているため、使わないときでもお気に入りのペンが見えます。いつでも目の届く場所で、見せる収納として保管したい方におすすめです。
ペンを寝かせる場所は、オーク材がペン1本1本を包み込むような形に加工されています。
木の温もりは、万年筆の魅力をさらに引き立たせてくれるはず。ナチュラルなデスクスペースが好みの方や、文具好きの方への贈り物にもぴったりです。
飾れる木製ペンケース
¥3,950(税込・参考価格)
職人技が光る、紙製の筒箱
続いてご紹介するのが、高知県で「紙箱」を製造する老舗「チカモリ」の筒状の道具入れです。
紙製とは思えない、とても丈夫な作り。内部はマグネット仕様になっているため、散らばりやすいクリップなど金属製のアイテムも中でぴたっとくっつきます。開くと水平になるため、デスクの上では小さなトレイとしても使える便利なアイテムです。
昔ながらの製法で作られた紙箱は、熟練の職人だからこそ作れる一品。
付属のコードでくるっと巻けば、とてもコンパクトになります。引き出しなどに収納しやすいのもうれしいポイント。使い込むごとに味わいが増す質感で、男女問わずおすすめです。
トレイになる筒箱の道具入れ
cohana(コハナ)
¥3,630(税込・参考価格)
フォルムが美しい、クリアガラスのペンホルダー
こちらはまるで、オブジェのような美しいフォルムのペンスタンドです。
ペンスタンドでの保管方法は収納しているペンが外から見えづらいこともあります。こちらはクリアの部分がガラス製で、中のものがよく見える仕様。こちらのスタンドに収納することで、お気に入りの万年筆がぱっと華やかな雰囲気になりますよ。
同じサイズの六角形が3つ並んでおり、気がつくとごちゃつきがちなペンスタンドも、種類ごとや色ごとといったタイプ別に分けられるのですっきりと収納できますよ。
こちらは一番背の高い部分で、高さはおおよそ12センチ、直径も7センチ未満。大切な万年筆をきちんとホールドしてくれる安心感がありおすすめです。
真鍮 ガラス 多角ガラストレーペン立て
¥2,980(税込・参考価格)
お気に入りの万年筆を、長く大切に扱おう
万年筆の正しい保管方法やお手入れ方法、注意点などをご紹介しました。万年筆で書いた文字には、独特の風合いがあります。見慣れているはずの自分の文字が、不思議と魅力的に見える、なんてうれしい経験もできるはず。
きちんとお手入れする習慣と正しい保管方法が身につけば、扱い方は簡単。お気に入りの万年筆を、長く大切に使ってくださいね。
万年筆とセットで欠かせないのがインクの存在。こちらの記事ではおしゃれなインクをご紹介しています。ぜひ覗いてみてくださいね。