ガラスペンのインクのススメ。色が出ない時の対処法やお手入れの仕方もご紹介
美しい見た目で人気を集めているガラスペン。一方で、使いこなせるかどうか不安だという方もいるかもしれません。どんなインクを使えばいいのか、書き方やお手入れの方法にコツはあるのか、気になりますよね。ここでは、ガラスペンのインクについて幅広くご紹介します。
透明なペン先で何色の文字を紡ぐ?
日常でよく使う筆記具といえば、ボールペンやシャープペンシルが思い浮かぶのではないでしょうか。また、高級品のイメージを持たれがちな万年筆も、普段使いできるペンとして人気を集めています。一言で“ペン”といっても、素材や機能によって個性は異なるもの。書き心地だけでなく、時には言葉の捉え方まで変えてしまうかもしれません。
そんな奥深いペンの世界で、日本発祥の「ガラスペン」に魅了される方が増えています。ガラス製のペン先にインクを付けて、書き連ねる文章。繊細なガラスの先端から、一つひとつの文字を咲かせましょう。
さらに、つけペンの特性を活かして多彩なインクを簡単に使い分けられるところも、大きな魅力です。今回は、ガラスペン専用にしたくなるインクに着目。とっておきの色の海にご案内します。
ガラスの煌めきで文字を綴って
風鈴職人の手によって生み出されたというガラスペン。透き通った輝きが、書くことへのワクワク感を高めてくれます。一方で、「ガラスペンって扱いが難しそう」という不安もあるかも。ガラスペンとインクにもっと慣れ親しみたいなら、使い方を押さえてみて。愛用するためのお手入れ方法も必見です!
ガラスペンとインクに近づいてみよう
ガラスペンには、万年筆やつけペン専用のインクを選びましょう。使い方で気を付けたいポイントは、インクの種類。顔料系のインクは水をはじく性質上、乾くとペン先で固まりかねません。長時間使う場合はこまめにペン先を洗って、インクの付き方を良くしてくださいね。水に溶ける染料系のインクなら、ガラスペンとの相性もばっちり。インク色の変更も楽々で、カラフルな文面に仕上がりますよ。
また、ガラスペンの繊細なつくりを見て「上手くインクが出ないんじゃ?」と感じる方もいるはず。実は、ガラスペンの書き方はとてもシンプルでわかりやすいんです。ペン先に掘られた溝からインクが吸い上げられ、少しずつつたっていくように設計。大量のインクを使ったり、何度も付け直したりしなくても、スムーズに書き続けられるよう工夫されています。
文字を書く際には、ガラスペンを少し寝かせるのがコツ。インクが出ない時には、ガラスペンを回して角度を調整しましょう。別の溝に溜まったインクが流れてくるので、そのまま書き物に没頭できますよ。美しい見た目に秘められた扱いやすさを、指先から実感してみて。
お手入れの仕方を知っておこう
宝物のように輝くガラスペンには、いつまでも綺麗な姿でいてほしいもの。ガラスペンのお手入れは、簡単な2ステップで完了します。インクを変更したい時にも同じ手順を踏めば、気軽に色遊びを楽しめますよ。
- ペン先のインクを水で洗い流す。
- 柔らかい布やティッシュペーパーで水分をふき取る。
ガラスペンのお手入れ
インクが落ちにくい場合は、ぬるま湯で洗ってみてください。また、お手入れが簡単な分、洗い終わった後の保管方法には気を配って。ペン先が傷つくと、インクを吸わない、色が出ないといったトラブルが起こってしまいます。専用のケースを用意し、きちんと守ってあげましょう。
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ガラスペンに纏わせたくなるインクたち
ガラスペンを用意したら、次はインク選び。定番の色であっても、インクごとに色合いが微妙に異なっていて、目移りしてしまいそう。季節や風景からインスピレーションを受けたオリジナルインクも見逃せません。あなたはガラスペンにどんな色を着せてみたいですか?
ウィンザー&ニュートン ドローイングインク
イギリスの画材メーカーである「Winsor&Newton(ウィンザー&ニュートン)」のインクは、発色の良さがご自慢。世界中のイラストレーターやデザイナーからも愛されています。
全26種類のカラーバリエーションには圧倒されるばかり。どの色も鮮やかで、艶と透明感に満ちています。また直接インクを付けるだけでなく、2色を混ぜたり、水で薄めて色合いを淡く調整したりできますよ。
使い心地はもちろん、パッケージラベルのデザインも要チェック。インクの色から連想されるイメージが描かれていて、眺めているだけでも楽しくなりそう。1つに決めきれない、と悩んだ時には、8色や12色入りのセットもおすすめです。いっそ全種類並べて、インクの博物館を作ってみてはいかがでしょうか。
ドローイングインク
Winsor&Newton(ウィンザー&ニュートン)
¥282(税込・参考価格)
モンテベルデ ボトルインク
モンテベルデのミニボトルインクは、ニュアンスの異なるカラーを多種多様に展開。ベーシックな色も、細やかなニュアンスによって表情をくるりと変えます。どこまでも突き抜ける青空だったり、深い森の中だったり。どれ1つとして被ることのない色の個性に、ぐっと惹きつけられてしまいます。
こちらの投稿では、インクとガラスペンとの相性の良さを実感されています。ゴシック体の書き写しに、深みある寒色系のインクがマッチ。ガラスペンの印象と相まって、大正レトロ感の漂う仕上がりに。書き終えた後の雰囲気までとことん味わってみて。
ミニボトルインク
モンテベルデ
¥1,100(税込・参考価格)
浮世絵インク
葛飾北斎と東洲斎写楽。絵師2人の浮世絵作品からアイデアを膨らませたインクシリーズが「浮世絵インク」です。深縹(ふかきはなだ)や赤桜(あかさくら)といったネーミングには、四季と美しい日本語へのリスペクトが感じられます。
また、浮世絵のコンセプトにこだわったパッケージは、これだけで1つの作品レベル。インクを仕舞うためだけでなく、机に飾っておきたくなりますね。
こちらでは、錆緑(さびみどり)の色彩に驚きの声が上がっています。インク本体や書き出しの文字色は、どう見てもブルーだったそう。書いた後に色が変化し、松葉のような鈍い緑へ。一言では表現できない色味に、日本文化の奥深さが秘められているのかもしれませんね。
浮世絵インク
TACCIA(タッチア)
¥1,600(税込・参考価格)
レンノンツールバー ボトルインク
レンノンツールバーは、台湾の藍染め屋さんが立ち上げたインクプロジェクト。藍染めという伝統工芸を軸に、台湾の自然と文化を伝える唯一無二のインクを生み出しています。
こちらの水沙連(すいされん)は、日月潭という湖の水面を表現したもの。実際に行ったことがなくても、まるで日月潭のほとりに立っているかのような気分に浸れそう。インクを使うたびに、異国での旅路を想像してみてはいかがでしょう。
鮮やかさと明るさの異なる、3つの青色。それぞれが台湾の風景がいかに美しいものであるかを教えてくれます。色の濃淡や滲み具合も、どこか懐かしく感じられるかも。この他にも、季節限定のカラーセットや台湾茶をモチーフとしたシリーズなど、独自のラインナップが揃っています。インクから台湾を深く知るきっかけに繋げてみて。
ボトルインク
レンノンツールバー
¥2,200(税込・参考価格)
ガラスペンをインクの海に浸して
そっと触れて、大切に文字を綴りたくなるガラスペン。そのペン先を浸すインクには、お気に入りの色を選んであげましょう。7つの海をまたにかけるように、色とりどりのインクへ飛び込ませて。ガラスペンのインクが、文字の書き方をより一層豊かにしてくれるはずですよ。