万年筆で思い通りに文字が書けない…。インクが出ない・かすれる原因と対処法を解説
万年筆で文字を書こうとしたら、肝心のインクがかすれたり出なかったりした…なんて経験はありませんか?今回は、万年筆のインクが出ない原因と対処法について解説していきます。お気に入りの万年筆と末永いお付き合いが出来るよう、ぜひチェックしてくださいね!
万年筆が書けない時、どうすればいい?
独特の書き心地や多彩なインクで愛用者の多い万年筆。でも、万年筆で文字を書いたらなんだか字がかすれてしまったり、久しぶりに使ったらインクが出なかったりと、上手く書けない経験をしたことがある人は多いはず。
手軽なボールペンと比較すると万年筆は比較的高価なものも多く、あれこれと迷いながら購入する場合が多いので、文字が書けないととても残念に感じますよね。
そんな時は、まず万年筆の状態を確認しましょう。きちんと状態をチェックしてから、状態に合わせた対処法を行うことが大切ですよ。
万年筆のインクが出ない・かすれる原因と対処法をご紹介
万年筆が書けない原因はいくつか考えられます。ここからは、原因別にその対処法をご紹介します。
万年筆が書けない原因・対処法①「インクが固まっている」
万年筆が書けない原因で1番多いのが、万年筆のインクが固まってしまっていること。万年筆を長い時間使っていなかったり、保管の際にキャップをきちんと閉めていなかったりすることで、ペン先のインクが乾燥して固まってしまうのです。
この場合の簡単な対処法は、ぬるま湯か水を用意してペン先を付けてみること。お手入れついでに、ぬるま湯できちんと内部を洗浄するのも良いでしょう。
もし自身で解決できない場合は、ペンクリニックで修理してもらうという方法もありますよ。以下の記事ではペンの洗浄方法を解説しているので、チェックしてくださいね!
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万年筆が書けない原因・対処法②「中に空気が入っている」
カートリッジやコンバーターの中に空気が入ってしまい、上手くインクが出てこないというパターンもあります。内部に空気が入ってしまうことで、インクがペン先まで降りてこなくなってしまうのが原因です。
この場合は、ペン先を下に向けて入り込んでしまった空気の部分を指先で軽く叩くようにしましょう。このようにインクをペン先まで落とすようにすると、空気が抜けて万年筆が書けるようになりますよ。
万年筆が書けない原因・対処法③「万年筆とインクの相性が良くない」
万年筆のインクは種類が豊富で、いろんなものを使ってみたくなりますよね。しかし、万年筆とインクの相性が良くない場合、万年筆が書けなくなることがあります。インクの交換の際には、万年筆との相性を見極めることが大切ですよ。
プラチナの万年筆ならプラチナのインクを使うなど、インクはメーカーの純正品を使用するのが基本。互換性があるからと他社メーカーのインクを使うことで、インクが上手く出なくなることがあります。
その場合は、インクが固まってしまったときと同様、まず最初にペン先を洗浄した後に、純正品のインクと交換して文字を書いてみてください。
万年筆が書けない原因・対処法④「万年筆の持ち方に癖がある」
実は、万年筆が書けない理由の1つに万年筆の持ち方が正しくないからという場合もあるんです。万年筆のペン先の向きが、インクフローと呼ばれるインクの出具合に影響を与えているのが原因です。
なんだかいつも文字がかすれるな…と感じている方は、書き癖が原因かも。以下の万年筆の正しい持ち方を意識してみてくださいね。
- ペン先の刻印を上に向ける
- ペンの角度は45〜60度にする
万年筆の正しい持ち方
万年筆が書けない原因・対処法⑤「ペン先が損傷している」
万年筆を落としてしまったり、どこかにぶつけてしまったりした場合は、ペン先が損傷している可能性も考えられます。ペン先が損傷して万年筆のインクが出ない場合は、自分で直すのではなく、専門店などに修理を依頼しましょう。
新品の万年筆のインクが出ない場合は?
愛用している万年筆ではなく、購入したばかりの新品の万年筆なのにインクが出ない場合は、以下のような原因がありますよ。
- 初期不良
- ペン先までインクが到達していない
新品の万年筆が書けない原因
まずは、新品の万年筆に初期不良がないかをチェックしましょう。ペン先の損傷や詰まりなどがないか一通り確認して、何かしらの不具合があった場合は購入先などに相談してみてください。
ただし、インクがカートリッジ式の場合は単純にインクがまだペン先まで到達していない可能性も考えられます。カートリッジ式はインクがペン先に到達するまで少し時間が必要なので、しばらく様子をみてみましょう。新品に限らず、インクを交換した際も焦らずに、もう一度文字を書いてみてくださいね。
どうしても急いでいる場合は、カートリッジの中央部分をつまむことで、インクを押し出すことができますよ。その場合、思ったよりインクがたくさん出てしまうこともあるので、注意しながら試してみてください。
「書けない」を防ぐ。保管方法のポイントとは?
万年筆の1番のメンテナンスは、使い続けること。インクの流れを止めないことこそ、インク詰まりを防ぐ最も効果的な方法だからです。でも、毎日は使わないという方も多いですよね。
そんな方は、保管方法に気をつけましょう。「お気に入りの万年筆が書けなくなった」を少しでも予防するため、以下のポイントに注目してくださいね。
ポイント①「キャップをきちんと閉める」
ペン先が乾燥することで、インクが詰まって書けない状態になってしまいます。当たり前のことですが、とても大切ですよ。
ポイント②「横向きに保管する」
ペンケースやペントレーなどに横向きに保管することで、インク漏れや詰まりを防ぎ、書けない状態を予防できます。ペン立てに収納する場合は、ペン先を上に向けておくのがポイント。
ポイント③「直射日光に当てない」
直射日光や高温な場所は、万年筆にとっていい環境ではありません。日光や高温によりインクが乾燥すると、メンテナンスに時間がかかり万年筆も劣化しやすくなります。直射日光の当たらない冷暗所に保管しましょう。
ポイント④「長期間の保管前にはメンテナンスが大切」
万年筆をしばらくの間使わない場合は、インクを抜いて洗浄するというメンテナンスを行ってから保管しましょう。いくら正しい保管をしていても、長期間に渡る保管ではインクが乾燥してしまう可能性が高いからです。洗浄後はきちんと乾燥させてから保管してくださいね。
万年筆のお手入れにおすすめのアイテムをご紹介
万年筆のお手入れに便利なアイテムがあることをご存じでしたか?お手入れを手軽に楽しくできるように、ぜひチェックしてくださいね。
手軽にお手入れできる「万年筆洗浄キット」
まずご紹介するのは、「POINT(ポイント)」の「万年筆洗浄キット」。こちらは、ヨーロッパ規格の万年筆に対応しているアイテムです。インクを交換したりインク詰まりが起きたりしたとき、手軽に洗浄できますよ。
使い方は、洗浄用カートリッジをインジェクターにセット後、用意した水やぬるま湯を吸入し万年筆の首軸に通常のカートリッジと同じように取り付け、水を押し出して洗浄するだけ。さっとメンテナンスできるので、ヨーロッパ規格の万年筆をお使いの方にはおすすめのアイテムです。
万年筆洗浄キット
POINT
¥550(税込・参考価格)
ペン先を美しく保てる「SUITO」
こちらは「神戸派計画」の「SUITO(スイト)」。インク漏れに悩む多くの万年筆愛用者のために開発された、万年筆のクリーニングペーパーです。
紙に使用されているのは、インクを吸い取り乾燥を速める「吸取紙」。ペン先にフィットするようにデザインされているため、ペン先に付着したインクを簡単に拭き取ることができます。
持ち運びに向いているサイズ感なので、手帳などに挟んでおくととっても便利。外出先でもさりげなくペン先をケアできますよ。このアイテムを使用すれば、万年筆を使うのがもっと楽しくなるはず。
SUITO クリーニングペーパー
神戸派計画
¥495(税込・参考価格)
書けない対処法を知って、末長いお付き合いを
万年筆が書けない原因と対処法、書けない状態を防ぐための保管方法をご紹介しました。長く愛用したいと思って購入した万年筆は、トラブルなく書き続けたいですよね。
1番はコンスタントに使い続けるのが大切ですが、それでも書けないときや長期保管することもあるでしょう。そんなときは、素敵なパートナーをメンテナンスしてあげてください。書けない時の対処法を知って、お気に入りの万年筆との時間を楽しんでくださいね。
万年筆のインクがにじむことに悩んでいる!という方には、こちらの記事がおすすめ。インクがにじむ原因と対策をご紹介していますよ。