独特な仕上がりに魅了されて。心あたたまる、活版印刷の魅力
活版印刷をご存知でしょうか?活版印刷はその印刷方法から、独特のインクのかすれやインク溜まりを生み、印字部分に凹凸ができるのが特徴です。見て美しい、触って楽しいその表情には、あなたもきっと魅了されるはず。この記事では、思わず触れてみたくなる活版印刷の魅力や素敵なアイテムをご紹介します。
立体感とかすれが織りなす活版印刷。その魅力の秘密とは?
活版印刷ってどんな印刷方法?
活版印刷とは、印刷技術の一種です。活字を組み合わせてインクを塗り、上から圧力をかけることで紙にインクを転写します。その時の圧力により、印刷された紙には活版印刷ならではの"凹凸"が誕生。生まれた活版印刷は、版に付くインクの量や場所の違いから、独特のかすれやインク溜まりが生じたりと、一枚一枚に個性が出ます。
活版印刷はその印刷方法から、完成したものがデジタル印刷とは違った、独特な個性や魅力を持ちます。インクの選び方はもちろん、印刷する紙との相性、その日の湿度や気温、職人の体調などが絡み合って、一つの印刷物が完成するのです。その偶然性が作品としての面白さを感じます。
活版印刷の歴史
活版印刷の歴史は長く、アジア圏では中国で11世紀頃に広まったと、当時の随筆に記されています。しかし、漢字を用いるためには、膨大な量の活字が必要になり、組み替えも一苦労だったので、あまり盛んに使われませんでした。
ヨーロッパ圏では、1145年頃にドイツ出身のヨハネス・グーテンベルクが、家業の金細工の技術を生かして、活版印刷を発明します。アルファベットは26文字しかないので、活字の種類が少なくて済みます。そのため、英語圏では活版印刷が定着していきました。
“触れる”場面で根強い人気
アナログな作業で作り上げられる活版印刷には、デジタル印刷では再現できない独特な魅力を持っています。現代でこそ生産量は減っていますが、名刺やウェディングのペーパーアイテムなど、直接手に取り質感を楽しみたいといった分野では根強い人気があるんですよ。活版印刷を用いた素敵なアイテムを、あなたも大切な人に贈ってみませんか?
見てインクの風合いを楽しみ、触って印刷の立体感を楽しめる、素敵な活版印刷の文具をご紹介します。
活版印刷の世界観を感じられる、とっておきの文具5つ
大人の嗜み「活版ポチ袋」
「KNOOPWORKS」(クノープワークス)は、マスキンテープやスタンプ、ペーパーバッグなどの紙物を制作しています。白・黒・グレー・クラフトだけでつくる、可愛くなりすぎないユニセックスなアイテムは、毎日の生活にシンプルな心地よさをもたらします。領収書や封筒などの実用的なアイテムも、「KNOOPWORKS」の手にかかれば、洒落たアイテムになるのです。
白地のポチ袋に黒字の活版印刷が押された「活版ポチ袋」。さりげないラインのモチーフは、ポチ袋とは思えないスタイリッシュな印象を受けます。アイルランドで幸運を運ぶ指輪として伝統あるクラダリングデザインと、キツネとウサギがありがとうの気持ちを伝える紋章をモチーフにしたEMBLEMデザインの2種類です。
ポチ袋は、鞄の中に散らばりがちなものをまとめるのに便利です。例えば、薬やキャンディーなどの小さなお菓子などを入れておけば、鞄の中からすぐに見つけられます。また、人に小銭を渡すときに、裸のままではなくポチ袋に入っていたら粋ですよね。「KNOOPWORKS」のポチ袋を鞄に忍ばせれば、思いついた時にちょっと余裕のある素敵な大人を演出できますよ。
活版ポチ袋
KNOOPWORKS
¥506(税込・参考価格)
ハレの日を華やかさで包んで「活版印刷 祝儀袋」
「活版印刷 祝儀袋」は、133年以上もの歴史がある、「マルアイ」が手掛ける商品。職人の手で一つずつ丁寧に作られている、特別なご祝儀袋です。こだわりの質感に、金色の箔押しがキラリと光ります。風合いのある厚手の紙に、深堀りの金属板でしっかりと圧をかけて印刷された活版印刷には、高級感がありますよね。
生命力を感じさせる黄金色が揺らめくボタニカル柄、西洋の紋章である「フルール・ド・リス」をピンクとグリーンが彩るオリエンタルなタイル柄、花や植物の形をした装飾用の活字をおしゃれにアレンジしたフルーロン柄の3種類です。
クールなあの人にはフルーロン、柔らかく落ち着いたあの人にはボタニカル…。そんな風に贈る相手の雰囲気に合わせて選べば、より特別感のあるご祝儀になるでしょう。
活版印刷 祝儀袋
マルアイ
¥638(税込・参考価格)
カードそのものがプレゼントに。「活版フラットカード」
「TOUCH & FLOW」(タッチアンドフロー)は、紙製品や筆記具などのステーショナリーを制作しています。TOUCH & FLOW の名前には、もし何かを見たり、触れたり、聞いたりして心が動いたら、思うままに新しい何かをやってみよう、そんな気持ちが込められています。
そんなTOUCH & FLOWが手掛ける「活版フラットカード」には、ケーキ・グラス・ハート・ワンピースと全4種類のデザインがあります。こちらのバースデーケーキの細やかなデザインには、可愛らしさに加え、思わず触りたくなってしまう質感があります。誕生日プレゼントに添えて贈れば、受け取った人の幸せそうな笑顔が目に浮かぶようです。
ワンピース柄は、出産記念日や子育て中の友達へ、ハート柄は大好きなあの人へと、シーンに合わせて選ぶのも楽しそう。それぞれの柄は、各2色ずつ展開されています。大切な人を思い浮かべながら、選んでみてくださいね。
活版フラットカード
TOUCH &FLOW
¥528(税込・参考価格)
丁寧に押した花にときめく「メモパッド」
「プロペラスタジオ」は、現在は様々な文具を手がけるステーショナリーメーカー。2009年にスタートさせた紙ブランド「Hutte paper works」では、紙の風合いや印刷の効果にこだわったアイテムが取り揃えられています。草木をモチーフにした繊細なデザインが特徴で、心を和ませてくれるものばかりです。
ぐるりと紙の上に押されたミモザにときめく「メモパッド」。控えめながらも存在感があるのは、洗練されたデザインが丁寧に押されているから。もし同僚が「仕事を手伝ってくれたお礼に」と、ちょっとしたお菓子と一緒にこのメモでメッセージをくれたら?私だったら、たった一言でももったいなくて捨てられません!
控えめで可愛らしい花々のアイテムは、眺めるだけで至福の時間。メモパッドは、ミモザの他には、シオン、リース、野の花の4種類。どれも使うのがもったいなくなるほど、可愛らしい!特別な人に贈りたくなる、特別なメッセージカードとしても活躍するメモパッドです。
メモパッド
Hutte paper works
¥748(税込・参考価格)
ノスタルジーな空想世界「雲乃上商店街・星屑リサイクル ポストカード」
「九ポ堂」は、紙の上に広がる物語が魅力です。印象的な屋号は、先代の祖父が定年後の趣味として始めた活版印刷で、欧州活字のサイズ、9ポイントの活字を主に使用していたことから。祖父から譲り受けた活版印刷機で、身近で親みやすく「少し不思議」な紙雑貨を製作しています。
「雲乃上商店街」は架空の商店街。小さい頃に空想したような、星屑がペンダントにリサイクルされる世界の物語が綴られています。特に文章の部分は、漢字やひらがなならではの曲線、トメ、ハネ…そこに流れ、溜まったインク。その濃淡が味わい深く、一文字一文字を愛でたくなってしまいます。
架空商店街のユニークな世界観に、思わずクスッと笑ってしまいます。レトロな活字や少し凸凹がある、活版印刷ならではの雰囲気も素敵です。なかなか会えないあの人に、優しい笑いをポストカードで送ってみませんか?
雲乃上商店街・星屑リサイクル ポストカード
九ポ堂
¥220(税込・参考価格)
レモンのクラシカルさとフレッシュさが魅力「ミドリレターセット」
クラシカルなデザインが懐かしくて新しい、大人のためのレターセット。鮮やかなイエローと落ち着いた濃紺のレモンが、目を引くデザインの便箋です。レモンの表面がかすれ、独特の風合いを表現しています。可愛すぎず、大人も使いやすいレモンモチーフは、シールや一筆箋も展開しているので、合わせてチェックしてみてください。
便箋は活版印刷に適した柔らかな紙で、活版の凹みを豊かに表現しました。ふかふかとした自然な風合いの紙は、何を書こうか悩めるペン先を優しく受け止めます。こだわりは封筒選びにも。ブルーグレーの封筒には、ピンクの紙粉が入った「ポルカ」という紙を使っています。便箋の活版印刷を引き立てるような無地の封筒は、手紙を開けるワクワクを演出します。
便箋を指でなぞると、イエローの罫線も活版印刷されているのが分かります。活版印刷の便箋で手紙を書けば、思いと一緒に暖かな手触りも届けられますよ。
レターセット 活版 レモン柄
ミドリ
¥462(税込・参考価格)
温もりある活版印刷の世界を楽しんで
活版印刷の面白さは、印刷工程が人の手によって選択されていることです。活字を選ぶ、インクを選ぶ、紙を選ぶ……一つ一つの工程に意図があります。それでいて、版に付くインクの量や場所により、掠れやインク溜まりが生まれ、表情が豊かなのも魅力です。まるで一つの作品のような活版印刷の文具、あなたも手に取って、触れて確かめてみませんか?