左利きさんが使いやすい万年筆って?選び方やスムーズな書き方のコツもご紹介
文房具選びに気を使う左利きさん。「万年筆を使ってみたけど、書きづらかった」という方も多いのではないでしょうか?実は、いくつかのポイントさえ押さえれば、左利きであっても万年筆はスムーズに扱えるんです。この記事では、左利き向けの万年筆の使い方や選び方を解説し、併せておすすめの万年筆もご紹介します。
左利きさんが使いやすい万年筆って?
左利きさんは、どうして「万年筆が書きづらい」と感じてしまうのでしょうか。そこには、万年筆ならではの書き方と、左利きさん特有の書き方の癖が関係しています。
万年筆の書き方のコツ
まずは、万年筆ならではの書き方のコツを押さえておきましょう。ポイントは主に2つあります。
①力を入れない
万年筆はペン先に直接インクが流れるので、余計な筆圧をかけなくても文字をスムーズに書けます。逆に筆圧をかけすぎてしまうと、ペン先が開いたり曲がったりする原因になるので、注意しましょう。
②やや寝かせぎみに書く
万年筆で文字を書くときは、ペン先の刻印のある面を上にします。ボールペンなどを使うときよりも、やや寝かせぎみに持ちましょう。個体差もありますが、一般的な万年筆は45〜60度ぐらいの角度で書きやすいように設計されています。
左利きさんの書き方の特徴からわかる、万年筆の書き方のコツ
万年筆の書き方のコツを踏まえたうえで、左利き特有の書き方の特徴をチェックしてみましょう。なぜ書きづらく感じてしまうのか、原因が掴めてくるはず!
①押して書くので余計な力が入りやすい
書き順や「とめ」「はらい」など、文字は右利きにとって書きやすい場合が多いんです。例えば右利きの場合、はらいは手首の外側に向かってはらいますが、左利きの場合、手首の内側に向かってはらいます。押し込むように書くので、余計な力が入りやすい方もいるのです。
万年筆を使うときは、「力を入れない」のがポイントです。そのため、普段から力を入れて書く癖がある左利きの方は、意識して力を抜いて書くといいでしょう。力を入れるとペン先が紙に引っかかる原因にもなります。
②巻き込みながら書く
横書きでは文字を右側に書き進めていきますが、左利きの場合、書いた文字が自分の手と重なって擦れてしまいます。このことを避けるために、自然と手首を曲げ、巻き込みながら書く方が多いのです。
万年筆を使うときは、「やや寝かせぎみに書く」のがポイント。万年筆を使う前に、一度文字を書く角度を見直してみると良いでしょう。
左利きさんが使いやすい万年筆の選び方
左利きさんの書き方の特徴を踏まえて、使いやすい万年筆の選び方をチェックしてみましょう。
①ペン先が左右対称
左利きの方が万年筆を選ぶ場合は、ペン先が左右対称のものを選ぶのがおすすめです。ペン先が特殊な形をしているものは、右利きの方が書きやすいように調整されている場合があるからです。
②ペンポイントが丸く、中字以上のもの
万年筆には、ペン先の先端に合金が溶接されています。これをペンポイントと呼び、ペンポイントが大きなものほど太い字が書け、滑らかな傾向があります。そして、左利きの方は押し込んで文字を書く傾向にあるので、紙の引っかかりが少ない丸いペン先がおすすめです。よって、左利きの方は「ペンポイントが丸く、中字以上」の万年筆を選ぶと失敗しづらいでしょう。きっとスムーズに文字が書けるはず。
③ペン先の硬いもの
筆圧の高い左利きの方が万年筆を使う場合は、ペン先の硬いものがおすすめです。硬い方がしなりが少なく、ペン先が広がりにくいためです。
万年筆のペン先には、ステンレスを使った「鉄ペン」と、18金や21金を使った「金ペン」があります。この2種類を比較すると鉄ペンの方がペン先が硬いため、まずは鉄ペンの万年筆に慣れてみましょう。力を抜いて書けるようになったら、金ペンに挑戦するとスムーズです。
④試し書きや調整のできる文具店で購入する
自分に合った万年筆を購入したい場合、利き手に関係なく、試し書きができる文具店で購入するのがおすすめです。万年筆は、ペン先の太さや種類によって書き心地が変わるので、実際に書いてみて自分に合うものを探してみましょう。
万年筆の良いところは、ペン先をその人に合ったものに調整できるところ。万年筆の調整ができるペンドクターのいる文具店や、ペンクリニックが行われている店舗で購入するのが理想的です。インクの出方や書き心地など、好みに合った快適な書き心地を叶えてくれますよ。
左利きさんにおすすめの万年筆
左利きさんにおすすめの万年筆を4本ご紹介します。予算に合わせて、使いやすい1本を選んでみてくださいね。
【左利き用】プロフィット21 レフティ 万年筆
「セーラー万年筆」の「プロフィット21 レフティ」は、国産では珍しい左利き用の万年筆です。特徴は、なんといっても左利き特有の書き癖に合わせたペン先。ペンポイントを丸く仕上げているので、押し書きしても引っかかりにくく、滑らかな書き心地です。
また、巻き込む握り方を考慮してペン先の左側を削っているので、書くときに角度を意識しなくてもスムーズな筆記が叶います。ペンの太さが細字・中細・中字から選べるのも嬉しいポイント。左利き用の万年筆で、3種類の太さを選べるのは貴重です。
重厚感のある見た目も、万年筆で書く楽しみの一つ。太めの軸は、リラックスして書くのにちょうどいいバランスなんです。21金のペン先と、24金メッキを施した金属パーツが、持つ人の気分を上げてくれます。レフティで快適な書き心地と、背筋が伸びるような凛とした雰囲気を味わってみてください。
プロフィット21 レフティ
セーラー万年筆
¥27,500(税込・参考価格)
【左右両用】シオッドシャイニー
ドイツの筆記ブランド「シュナイダー」から、左右両用の万年筆「シオッドシャイニー」をご紹介します。グリップは人間工学に基づいたデザインと滑りにくいラバー加工で、快適な握りやすさを叶えています。また、くぼみに指を沿わせると、自然と正しい持ち方になるのもポイント。
本体のみで10gと軽く、長時間の筆記にも向いています。ペン先は頑丈なステンレススチールなので、強めの筆圧の方にもおすすめです。ペンの太さはM(中字)ですが、実際にはやや細めの線になります。
ボディは、直線的なシルエットに曲線を効かせたモダンなデザイン。メタリック仕上げでエレガントな印象を与えます。シックでシンプルな万年筆は、仕事用のノートや手帳とも相性ぴったり。手に入りやすい価格で、クオリティの高い万年筆をお探しの方におすすめです。
シオッドシャイニー
Schneider
¥1,980(税込・参考価格)
【左右両用】ツイスト
スイスに本社を置くオフィス用品メーカー「ペリカン」からは、左右両用の万年筆「ツイスト」をご紹介します。まず目を引くのは、名前の通りツイストされたボディ。キャップを閉めた状態だと、一見万年筆だとわからないデザインです。しかし、キャップを開けて握ってみると、不思議と持ちやすさを感じます。
特徴的なツイストデザインは、人間工学に基づいたもの。三角グリップと合わせて、正しい持ち方をガイドしてくれます。ペンを走らせれば、老舗万年筆メーカーらしい滑らかな書き味が楽しめます。ペンの太さはF(細字)ですが、国産の万年筆に比べるとやや太めなので注意してください。
ボディとクリップでカラーリングを変えているのもポイント。ポップなカラーリングが、見た目にも楽しい1本です。大胆なデザインは海外製ならではの魅力。遊び心のある万年筆を手にしたい方におすすめの万年筆です。
ツイスト
Pelikan
¥1,320(税込・参考価格)
DOLLAR717i
パキスタンの文具メーカー「DOLLAR PEN(ドーラーペン)」の「DOLLAR717i」をご紹介します。こちらの万年筆はとくに利き手を明記していませんが、パキスタンの国語であるウルドゥー語の右から左へ横に書く書き方が左利きの押し書きと共通しているんです。そのため、DOLLAR717iのペンポイントは、押し書きしても快適に書き進められるように厚めに作られています。
手の届きやすい万年筆ながら、回転吸入式を採用しているのもポイント。回転式コンバーターのつまみを回しながら、透明の軸にインクが吸入されていくさまは、何だかワクワクしませんか?珍しい中東圏の万年筆は、人と違ったものを持ちたい方におすすめです。
デモンストレーター スケルトン万年筆
DOLLAR
¥2,200(税込・参考価格)
お気に入りの1本を見つけて快適な万年筆ライフを
左利きさんでも、ポイントを押さえれば使いやすい万年筆を見つけられます。自分に合った万年筆を見つけ出したら、その滑らかな書き心地に感激しますよ。この記事を参考にしながら、お気に入りの1本を見つけて快適な万年筆ライフを送ってください。