ペンを使った文字技法「カリグラフィー」とは。初心者でも挑戦しやすい書き方も伝授
「メッセージカードを手書きで綺麗に書いてみたい。」そんなときにおすすめなのが「カリグラフィー」という書法です。そこで今回は、カリグラフィーの種類や書き方などをご紹介。美しい線が魅力的なカリグラフィーの世界に、一歩足を踏み入れてみませんか?
滑らかな文字に魅了される。カリグラフィーの世界
結婚式の招待状、カフェやレストランの黒板、表札など、日常生活で目にする機会が多いカリグラフィー。メリハリのある線や繊細なデザインが美しく、憧れを抱いたことがある方も多いはず。そんな方たちに向けて、そもそもカリグラフィーとは何なのか、初心者でも書けるのか、といった疑問にお答えしていきます。おすすめのペンも紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
カリグラフィーとは?
語源はギリシャ語の「美しい書き物」
「カリグラフィー」とは、ヨーロッパなどで多く使われる文字を美しく見せるための手法です。ギリシャ語の「CALLI(美しく)」と「GRAPHEIN(書く)」という言葉から生まれ、その歴史は2000年以上。現在は様々な書体がありますが、ローマ時代の「ローマンキャピタル」という大文字体が元になったといわれています。
カリグラフィー特有の書き方
カリグラフィーによる美しいアルファベットは、私たちが学校などで習ってきたアルファベットと書き順も画数も異なります。例えば「A」の場合、カリグラフィーの「ブラックレター」という書体で書くと6画になり、華やかな装飾が特徴的です。西洋の習字と呼ばれるだけあって、同じ文字でも書き方や雰囲気が変わるのが面白いですよね。
おすすめなカリグラフィーの種類と書き方
100種類以上もあるというカリグラフィーの書体。今回は、初心者でも書きやすいと人気の高い、代表的な3種類の書体をご紹介します。
読みやすくマイルドなタッチ「イタリック体」
「イタリック体」とは、初心者の方におすすめの読みやすくスタイリッシュな書体。シンプルでマイルドな印象です。使う道具は、先が平らな「カリグラフィーペン」。初心者の方は、線のメリハリがつけやすい1.8mm以上のペン先で大きく書く方法がおすすめです。
小文字の「x」の高さを基準(Xハイト)に、4本の同幅のガイドライン(アッセンダー・ウエスト・ベース・ディセンダー)を引いてから書きます。ペンを持つ方法は、ガイドラインに対してペン先を「45度」にするのが基本。ペンを寝かせすぎると線が太くなってしまうので気を付けてくださいね。
古い洋書のような雰囲気の「ゴシック体」
ブラックレター(オールドイングリッシュ)
「ブラックレター」とは、オールドイングリッシュともいわれるゴシック体のひとつ。アンティークな雰囲気の漂う書体です。使用する道具は、イタリック体と同じく先が平らな「カリグラフィーペン」。ブラックレターも4本のガイドラインを引いてから書き始めますが、イタリック体のように同幅ではないので注意してください。
ペン先の幅を1として、上から2:4:1.5の幅でガイドラインを引きます。ペンの使い方は、ガイドラインに対して「45度」が基本。習字の「留め」のように押さえ、書き始めに「ひし形」を作るのがコツです。ブラックレターは通常のアルファベットと書き方が大きく異なるので、見本を見ながら練習してみてくださいね。
慣れてきたら植物のツタのような装飾をしたり、リーフなどのイラストを描いてみましょう。別の色のインクをプラスして、鮮やかに仕上げるのもおすすめです。オリジナルの装飾を施すことで、印刷された文字には無い手書きの温かみが加わり、さらにおしゃれで素敵な仕上がりになりますよ。
おしゃれで気品を感じる「カッパープレート」
「カッパープレート体」とは、エレガントな印象を与える、優しく滑らかな書体。文字をもっと速く書けるようにと、イタリック体を基盤に筆記体にしたデザインです。「copper(銅)plate(板)」という意味があり、17世紀には銅板画のまわりや楽譜などに使われていました。
道具は、グリップの横にペン先が付いた少し特殊な形の「オブリークホルダー」を使います。最初は感覚を掴むのが少し難しいですが、使い方に慣れてくると文字をコントロールしやすくおすすめです。一般的な万年筆を用いる場合は、用紙を斜めにすると書きやすくなりますよ。
ガイドラインは同幅で4本引き、上から2番目の幅がXハイトになります。斜めに書くのがコツで、横線に対して「52度」になるように書きます。あらかじめ、52度のラインをいくつか引いておくと分かりやすくておすすめ。筆記体ですが、早く書こうとせずゆっくりと書くことを意識して練習してみてくださいね。
カリグラフィー初心者におすすめなペン
優しい色のボディが魅力「シュナイダー」のカリグラフィーペンセット
初心者の方におすすめなのが「Schneider(シュナイダー)」のカリグラフィーセット。イタリック体とゴシック体に使える、サイズの異なる3種類のペン先とインクがセットになっています。必要なものが揃っているので、すぐにカリグラフィーを始められますよ。
メタリック仕上げのエレガントなデザインで、カラーは爽やかなミントと優しいアプリコットから選べます。セットになっているインクカートリッジは、ボディカラーに合わせた柔らかく優しい色味です。もちろん別の色のカートリッジもセットできますし、別売りのコンバーターを使えばボトルインクも使えます。
また、ペンのお手入れ方法が丁寧に書かれているのも初心者には嬉しいポイント。ギフトとしても喜ばれること間違いなしの、おしゃれなカリグラフィーセットです。
キャップ式 カートリッジ/コンバーター両用・万年筆
シュナイダー
¥4,972(税込・参考価格)
手軽に始められるマーカータイプ「呉竹」のカリグラフィー水性ペン
思い立ったときにすぐ書きたい、そんな人におすすめなのが「呉竹(ZIG)」のカリグラフィー水性ペン。複数色のカリグラフィーペンを用意するのは大変ですが、セットになっている水性ペンなら気軽にすぐ書けて◎。カラーが豊富なので、装飾にこだわりたい人にもおすすめです。
上下でペン先の太さが違うツインタイプになっているので、繊細な装飾から大きい文字まで対応しています。「カリグラフィーに興味はあるけれど、まずは気軽に書いてみたい」そんな初心者ならではの気持ちに応えてくれるアイテムです。
水性ペン ZIG カリグラフィーII 6色 TC-3100/6V
呉竹
¥643(税込・参考価格)
書くほどにときめく。美しいカリグラフィーに触れよう
カリグラフィーは、「美しい書き物」という意味の文字を美しく見せる手法。書く人や書体によって異なる印象を楽しめるのは、印刷された文字にはない、手書きならではの魅力です。カリグラフィーで文字を丁寧に書く、そんなゆったりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?