日本で生まれ、育っていく文具たち。そのルーツを辿りながら
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日常生活のあらゆる場面で、文具は大いに活躍してくれます。そんな文具の中には、意外にも日本にルーツを持つものがあるんです。文具の生まれ育った背景を知ることで、今まで以上に親近感を抱くようになるかも。日本の文具について、知識を深めてみませんか?
あの文具、実は日本で生まれました
日常生活で文具にお世話になるシーンって、たくさんありますよね。鉛筆やシャープペンシル、ボールペンで文字を書いたり、カラーペンやマスキングテープで手帳を彩ったり。また、付せんとメモ帳はオフィスグッズとしても活躍してくれます。そして時には、万年筆やガラスペンを片手に手紙をしたためてみたくなるかも。
まるで体の一部であるかのように、文具は身近な存在ではないでしょうか。もし文具のルーツが日本にあったとしたら、もっと親しみを感じられそう。「見慣れたあの文具が、実は日本生まれだったなんて!」びっくりとワクワクの詰まった、国内文具ツアーに出かけましょう!
日本生まれの文具たち
性別や世代を問わず愛用され、一人ひとりの生活の中に馴染んでいる文具。外国で誕生し、海を越えてやってきた文具もあれば、日本で生まれ育った文具もあります。使いやすさを探求しながら、思わず手に取りたくなるデザインがチャームポイント。そんな日本生まれの文具たちの原点を探りに行きませんか?
ガラスペン
先端から軸の端まで、透き通ったガラスで作られたペン。繊細で美しい見た目はひとつの芸術作品のようで、うっとり見惚れてしまいます。ガラスペンは、明治時代の風鈴職人、佐々木定次郎氏の手によって生み出されました。ペン先に細い溝が掘り込まれており、そこからインクを吸い上げて文字を書く、という仕組みです。
一度インクを付けると、葉書1枚ほどの文章が書けるように。また、ペンを水で洗えばインクが簡単に落ちるので、色遊びも思う存分楽しめます。明治生まれのハイカラさんに、手書きの醍醐味を教わってみましょう。
耐熱ガラスメーカーのハリオサイエンスから、日常使いにぴったりのガラスペンが登場しました。持ち手の後ろ部分がくびれた「BRIDE」は、あつらえたガラスの靴のように手にしっくり馴染んでくれます。また、「GROOM」は指先のあたるグリップ部分が膨らんでおり、安定した握り心地に。
2種類のガラスペンは、持ち運びにもちょうどいい長さと太めの軸で設計されています。シンプルイズベストを体現したデザインで、自分用としてはもちろん、大切な方に贈りたくなりますね。
毎日使いたいガラスペン
ハリオサイエンス
¥7,700(税込・参考価格)
カッターナイフ
紙をきれいに裁断したり、段ボールの荷物を開封したり。手やハサミだけではやりにくい動作も、カッターナイフがあればスムーズにできますよね。カッターナイフの切れ味が悪くなったら、誰もが当たり前のように刃先を取り換えるのではないでしょうか?
実は、ひとりの日本人が「刃先を折って交換する」発想をもとに、カッターナイフを発明したんです。オルファ株式会社の創業者である岡田良男氏は、戦後の進駐軍が持っていた板チョコをヒントに、パキパキ折れる刃の開発に取り組んだそう。1枚の刃に折り筋を入れ、繰り返し新しい刃として使えるように工夫しました。
「カッターナイフは便利だけれど、持ち運びしにくいかも…」と思う方もいらっしゃるかと思います。このミニカッターなら、ペンケースや鞄に入れても邪魔になりません。ボールチェーンが付いているので、鍵や道具類とひとまとめにしておくこともできますよ。
ボタン操作で刃を押し出せば、すぐに使えるお役立ちアイテム。さらに、刃先の長さは2段階で調節できるように。特に段ボールや封筒を開ける際には、短い刃先が重宝されるでしょう。アウトドアに連れて行きたくなるようなカラーリングとデザインも、見逃せないポイント。「ものを切るなら私に任せて!」と、カッターナイフと一緒に宣言してみて。
ユーティリティナイフ
PENCO
¥770(税込・参考価格)
マスキングテープ
マスキングテープといえば、今や文具売り場で見かけないことがないくらい人気のアイテムです。色や柄、テープの幅に至るまで、マスキングテープの豊富なバラエティに魅了される方も多いはず。シールとして貼り付けたり、手帳やノートをデコレーションして楽しんだりと、自分好みに使ってみたくなりますよね。
そもそもマスキングテープは、塗装作業時に使用する保護用シートとしてアメリカで開発されたもの。日本に取り入れられた後、和紙素材で作られるようになりました。薄いのに耐久性があるという和紙の特性を活かし、マスキングテープは日本で生まれ変わったといえるでしょう。
たくさん種類のあるマスキングテープの中でも、「mt」ブランドは目を引く存在ではないでしょうか。「mt」のマスキングテープは、カモ井加工紙株式会社で生産されています。もともと製造していたハエ取り紙の粘着技術を応用して、紙製の粘着テープを開発。これが、現在のマスキングテープの原点となりました。
そして、あくまでも業務用だったマスキングテープに文具としての魅力を見出します。簡単に貼ってはがせる、という利便性だけでなく、和紙特有の透け感も人気に。これからも、マスキングテープの成長を追いかけていきませんか?
こちらの投稿は、コレクションを一望できるマステ帳です。眺めているうちに、買ったお店の思い出や貼りたい場所がどんどん思い浮かんできそう。世界にたったひとつのマスキングテープ美術館を、ゆっくり巡りましょう。
ミナペルホネン マスキングテープ
mt
¥383(税込・参考価格)
水性ペン
文字を書いたり、色を付けたりと、マルチに使える水性マーカーも日本発祥なんですよ。文具メーカーのぺんてる株式会社が、水性マーカー『サインペン』を独自に開発。インク滲みや紙への裏移りといった油性マーカーの欠点を克服し、理想的な書き心地を実現しました。
このサインペン、発売当初はなかなか売れなかったそう。ところが、アメリカの市場に売り込んだことがきっかけで大統領の手に渡り、状況は一変。アメリカ大統領のお気に入りとして、広く知られるようになりました。アメリカから逆輸入される形でベストセラーとなった背景は、驚きのサクセスストーリーですね。
水性マーカーの生みの親であるぺんてるは、いつまでも挑戦する姿勢を忘れません。こだわりのペン先を持つラインマーカー、『フィットライン』にご注目!くびれたペン先によって筆圧が安定し、書きやすさをアップしてくれます。
また、限定カラーは落ち着いた色味となっていて、心まで癒されそう。柔らかいデザインのペンは、ゆったり書き物をしたい時にもおすすめです。
水性染料インキ フィットライン フォー クレナ
ぺんてる
¥817(税込・参考価格)
文具から日本を知ろう
ペンにマーカー、テープ、そしてカッターナイフ。いつも何気なく手にしている文具が日本生まれだったということに、筆者も驚かされるばかりでした。
誰にとっても使いやすくて愛されるように。開発者のそんな願いを糧に、すくすくと育ってきた文具たち。文具のルーツを辿ることは、日本の文化を深く知る一歩となるかもしれません。文具から、今まで見えてこなかった世界と繋がってみましょう。