手紙の「かしこ」ってどんな意味?使い方とマナーを踏まえた例文をご紹介
手紙で目にすることのある「かしこ」は、手紙の最後に使われる結語の一つ。しかし「どんな意味なのか分からない」という方も少なくないでしょう。今回は、かしこの使い方やマナーについて分かりやすくご紹介します。手紙をよく書くという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
手紙に使われる「かしこ」って知ってる?
皆さんは、手紙に使われる「かしこ」という言葉をご存知ですか?
かしこは、手紙の最後に使われる結語(結びの言葉)の一つです。SNSが発達して手紙のやりとりをする機会も減っている現代では、かしこの意味を知らないという方も少なくないかもしれません。
そこで今回は、かしこの意味や使い方、例文などを分かりやすくご紹介します。かしこを使うにあたって注意したいマナーもご紹介するので、手紙をよく書くという方はこの機会にぜひチェックしておきましょう。
かしこの使い方と例文
まず最初にかしこの意味や使い方、例文をご紹介。日本で古くから使われるかしこがどんな言葉なのか知らないという方は要チェックです!
かしこの意味と使い方
かしこは「これで失礼します」という意味を持つ結語です。目上の人に手紙を送る場合など、敬意を表したいときに使います。
かしこの由来は「かしこい」の意味を持つ「かしこし(畏し)」から来ているんだそう。人間の力を超えた存在への畏怖(いふ)として使う「恐れおののく」という意味がありましたが、それが転じて、「恐れ多い」という意味になり、相手に敬意を払う際に使われるようになりました。
漢字では畏・賢・恐と表しますが、手紙やはがきに使う際にはひらがな表記で「かしこ」と記すのが一般的です。
また、結語は頭語とセットで使うのが手紙の決まりですが、かしこの場合は必ずしも頭語を必要としないのも特徴です。頭語を使いたい場合には「一筆申し上げます」や「謹んで申し上げます」などの頭語を使用するといいでしょう。
手紙を書く機会がない方は「そもそも、頭語・結語って何?」と疑問に思っている方もいるかもしれませんね。頭語と結語の意味については以下の通りです。
- 頭語…手紙やはがきなどの冒頭に記す言葉。挨拶でいう「こんにちは」にあたる
- 結語…手紙やはがきなどの末尾に記す結びの言葉。挨拶でいう「さようなら」にあたる
頭語と結語とは
上述の通り、かしこという結語には頭語が必要ありませんが、その他の結語は頭語とセットで使うのが手紙の決まり。一例ではありますが、頭語と結語の組み合わせについても以下で確認しておきましょう。
- 【一般的な手紙に使う頭語と結語】頭語が拝啓・拝呈・啓上の場合、結語は敬具・敬白・拝具
- 【丁寧な手紙に使う頭語と結語】頭語が謹言・恭啓・粛啓の場合、結語は敬具・謹言・謹白など
頭語と結語の一例と組み合わせ
かしこの例文
かしこを使うときには、いくつかの注意したいマナーがあります。相手に敬意を払ってかしこを使おうと思っても、マナーに違反してしまうと失礼にあたることも。かしこを使う前に、以下の点をしっかり確認しておきましょう。
- これからますます暑い日々になりますので、お体をお大事になさってください。かしこ
- 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。かしこ
- またお会いできる日を心より楽しみにしております。かしこ
かしこの例文
かしこを使うときのマナー
かしこを使うときには、いくつかの注意したいマナーがあります。相手に敬意を払ってかしこを使おうと思っても、マナーに違反してしまうと失礼にあたることも。かしこを使う前に以下の点をしっかり確認しておきましょう。
かしこを使うのは女性
平安時代は男性・女性に限らず使われていたというかしこですが、現代ではかしこを使うのは女性のみです。そのため、手紙の書き手が女性の場合にのみ、かしこを使うよう注意しましょう。
主に男性が使う結語としては「恐れ謹んで申します」という意味のある「恐惶謹言(きょうこうきんげん)」があります。意味もかしことほぼ同じなので、類語的存在として覚えておくと便利です。
ビジネスシーンでは使わない
かしこはビジネスシーンでは使用しません。相手に敬意を払う丁寧な言葉ではありますが、ひらがなで表記するためフランクな印象を与えてしまいやすいこと、女性らしさを強調してしまいやすいことなどから使用を避けられています。
ビジネスシーンではかしこではなく、敬具などといったその他の結語を使用して敬意を表しましょう。
基本的にメールでは使わない
基本的に、メールは簡潔に内容を伝える連絡手段であり、かしこなどの頭語・結語は使いません。代わりに「お世話になっております」などの挨拶を記すのがおすすめです。
しかし、丁寧なメールを送る際には敢えて頭語・結語を使うことによってより丁寧な文章であることを印象付けることも。基本的なメールの文章では使わないものの、状況によってはまれに使うことがあると覚えておきましょう。
丁寧に手紙を書きたくなるおしゃれな一筆箋3つ
シンプルなデザインだからこそ、紙の良さをとことん楽しめる一筆箋
最初にご紹介するのは、和紙の製造や販売を行う石川製紙と紙の流通を行う吉川紙商事が手掛けるプロジェクト「#wakami 」の「#wakami 一筆箋 #wakami_torinoko」。
シンプルなデザインを追求した和紙製の一筆箋で、デザインに特別な装飾がないからこそ、紙の良さをとことん味わえるアイテムです。
「大切な人に大切な時に…」をテーマに、大切な人に大切な想いを伝える際の一筆箋をイメージして作られたんだそう。本来であれば和紙が苦手とするガラスペンや万年筆でも引っかからずに筆記ができるので、好きな筆記用具を使ってストレスなく想いを綴れます。
こだわって作られた上質な和紙だからこそ、目上の人に送る手紙や、和紙の魅力を知ってほしい外国人の方への手紙にもぴったり。SNSが発達している現代だからこそ手書きで伝えたい大切な想いを、ぜひこの一筆箋にのせてみてくださいね。
#wakami 一筆箋 #wakami_torinoko
#wakami
¥990(税込・参考価格)
上品な花柄×大人ピンクに癒やされる一筆箋
続いてご紹介するのは「エヌビー社」の「一筆レター 想い クッカ」。現代的な花柄なのにどこか懐かしさや温もりを感じるデザインと、大人ピンクのカラーリングでほっこりと癒やしを感じるアイテムです。
一筆箋に使われている伊予産の奉書紙は、大切な想いを伝えるのにぴったりの和紙。受け取った相手もその手触りや風合いを楽しみながら、あなたの綴った言葉を心に染み込ませていくことでしょう。
全体的にピンクにまとめられた色に合わせて、使うインクもそれを活かしたカラーを選びたいところ。
筆者的には黒ではなく濃いグレーやくすんだ緑、ピンクベージュ系のインクが似合いそうだなと感じました。手に入れたときには、ぜひインク選びも楽しんでみてくださいね。
一筆レター 想い クッカ
エヌビー社
¥330(税込・参考価格)
人気イラストレーターが描くフルーツが主役のおしゃれな一筆箋
最後にご紹介するのは「cozyca products(コジカプロダクツ)」の「西淑 一筆箋 fruit」。イラストレーターの西淑さんが描いたフルーツのモチーフがデザインされた、大人にぴったりの一筆箋です。
ころんと置かれたフルーツは静かでどこか儚く、まるで美術館に飾られた作品のように見る人の心を惹きつけます。そんな一筆箋に記す文章はどこか雰囲気を増して、よりまっすぐ相手の心に届きそうな気がしますね。
イラストが大きめにデザインされているので、短めの文章を書きたいときにもぴったり。フルーツやゼリーの贈り物に添える一筆箋として使っても素敵です。
西淑 一筆箋 fruit
cozyca products
¥495(税込・参考価格)
手紙に使われる「かしこ」は相手に敬意を払う結びの言葉の一つ
手紙やはがきに使われるかしこは末尾に記す結語の一つであり、主に女性のみが使える言葉です。目上の人など、相手に敬意を払う手紙を送る際にはぜひかしこなどの結語を使ってみましょう。なお、ビジネスシーンやメールではかしこは使わないので、注意してくださいね。
手紙には今回ご紹介した「かしこ」以外にも、いくつかの基本マナーや書き方があります。相手を想う気持ちをしっかり伝えるためにも、手紙のマナーや書き方についてはしっかり知っておきたいところ。興味がある方はぜひ以下の記事を参考にしてください。