【文例】目上の方への手紙の書き方。注意点を押さえて丁寧な言葉で感謝の気持ちを伝えよう
ライフイベントの報告や季節の挨拶などのシーンで、いつもお世話になっている目上の人へ手紙を送るときに「どのように書けばよいかわからない」と悩んでしまうことがありますよね。そこで今回は、目上の人への手紙の書き方や文例、注意点について紹介します。
目上の人への手紙の書き方、ポイントや注意点は?
メールやSNSでのやり取りが主流にあるなか、あえて仕事やプライベートでお世話になっている上司や目上の人に「手紙」を送ってみませんか?手紙は送った相手の手元にカタチとして残るため、相手の印象に残りやすいんです。
キーで文字を打つよりも手間がかかる手書きの文字で伝えることで、あなたの気持ちがまっすぐ相手に伝えられるでしょう。
目上の人へ送る手紙だからこそ、書き方には抑えるべきポイントや注意点もあります。言葉遣いはもちろん、前文や末文といった文章の構成、便箋の使い方など、手紙ならではのマナーをしっかり確認しておきましょう。
本記事では、目上の人へ送る手紙の基本的な書き方や文例、抑えるべきさまざまなポイントを紹介していますので、ぜひチェックしながら書いてみてくださいね。
基本をおさえて丁寧に。目上の人へ送る手紙の書き方&文例
目上の人へ送る手紙を書くにあたって「基本構成」はとくに重要なポイント。基本構成に沿って書くことで、失礼がなく、全体的にまとまりのある文章に仕上がります。まずは、目上の人へ送る手紙の基本構成について例文とともに解説していきます。
本題の前に「前文」で丁寧な挨拶を
どんな手紙であっても、いきなり本題から入るのはNG。本題となる文章の前に「前文」で丁寧な挨拶をしましょう。前文は大きく分けて頭語と結語、手紙を出す季節に合わせた時候の挨拶で構成されています。
頭語と結語とは、手紙の最初と最後に入れる言葉のことで前文には頭語を使います。「拝啓」という頭語を使う場合の結語は「敬具」といったように、正しい組み合わせで使わなくてはなりません。
頭語の次に続くのが時候の挨拶。本題の前置きとしての役割を持つとともに、手紙に季節感を演出できることから、より丁寧な印象の手紙にまとまりますよ。
目上の人への手紙では「〇〇の候」や「〇〇の折」「〇〇のみぎり」といった表記を使うのが一般的。後ろに相手の繁栄や健康を祝う(仕事関係であれば活躍を祝う)一言を添えますが、内容は相手との関係性に合わせて変えるようにしましょう。
- 拝啓 春陽の候 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。(4月の手紙)
- 謹啓 猛暑の折 〇〇様におかれましてはご健勝にてお暮らしのことと存じ上げます。(7月の手紙)
- 拝啓 師走のみぎり 寒さも厳しくなってまいりましたが、皆様お風邪をめしていらっしゃいませんか。(12月の手紙)
目上の人へ送る手紙の「前文」の文例一覧
一番伝えたい「主文」は言葉遣いに気を付けて
前文を書き終えたら、次にメインの文章となる「主文」を書きます。便箋に書く際は前文の後ろを改行し、一文字分スペースを空けてから書き始めるのがポイント。文章の内容が変わるため、書き出しは「さて、」と、話が変わることが一目で分かる言葉を入れましょう。
便箋に書けるスペースは限られているもの。伝えたいことがたくさんあったとしても、相手が読みやすいように、主文はできるだけ簡潔にまとめることが大切です。
「末文」では相手を思いやる一言を
目上の人へ送る手紙は最後の一文まで気を抜かないことが大切です。本題となる主文を書き終えたら、最後は「末文」で最後の挨拶をすることで、相手に丁寧な印象を与えられます。末文も前文と同様に、結びの挨拶と結語の2つの要素で構成されています。
結びの挨拶では、季節感のある挨拶とともに相手の健康を気遣う文章を添えるのが一般的。結びの挨拶の後には、前文で書いた頭語に対応する結語を入れて締めます。
- 春光うららかな好季節、皆様のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げます。敬具(4月の手紙)
- 暑さ厳しき折、お身体を崩されませぬよう、ご自愛専一にお過ごしください。謹言(7月の手紙)
- 年末でご多忙の折ではございますが、お身体に気を付けて良き新年をお迎えください。敬具(12月の手紙)
目上の人へ送る手紙の「末文」の文例一覧
目上の人へ送る手紙を書くときの注意点
直接会う場合と違い、相手の反応が読めない手紙だからこそ、目上の人へ手紙を書く際には文章の構成だけでなくマナーを抑えるのが重要です。ここからは、目上の人へ手紙を書くときの注意点について解説します。
手紙を送るタイミングを間違えないようにしよう
目上の人へ手紙を出す際には、タイミングにも注意が必要です。クライアントから頂き物があったとき、仕事やライフイベントで上司にお世話になったときなど、目上の人へ手紙を出すシーンはさまざまでしょう。
なかでも特に報告やお礼などを兼ねた手紙の場合は、できるだけ早く出すことが大切。「失礼のないよう早く伝えたかった」というあなたの気持ちを相手へ伝えられます。以下に、シーン別の手紙を出すおすすめのタイミングをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
【シーン別】目上の人へ手紙を出すタイミング
結婚・出産祝いのお礼の手紙 | 結婚・出産から1か月以内 |
お悔やみの挨拶の手紙 | 初七日(故人が亡くなってから7日目)まで |
引っ越しの挨拶の手紙 | 転居から1か月以内 |
暑中見舞い | 小暑(7月7日頃)から立秋の前日(8月7日頃)の間 |
寒中見舞い | 松の内(1月7日)があけてから立春(2月4日頃)までの間 |
便箋の向き・枚数に気を付けよう
便箋の文字を書く向きや枚数にも注意することで、より丁寧な印象を与えられます。便箋には縦書きと横書きがありますが、目上の人へ送る場合は縦書きタイプを使いましょう。
また、目上の人へ送る正式な手紙には、2枚以上の便箋を使うのが一般的です。便箋1枚のみがNGとされるのには、文章が透けて見えてしまうや離縁状を連想させるため縁起が悪いといった説があります。もし便箋1枚で全ての文章がおさまった場合には、白紙の便箋を重ねて出しましょう。
しかし、弔事に関係する手紙の場合は「不幸が重ならないように」という気持ちから、1枚の便箋で出す慣習がある点にも注意してください。
シーン別の「忌み言葉」に注意しよう
目上の人への手紙を書く際には「忌み言葉」が含まれていないかしっかりチェックしておきましょう。忌み言葉は、一般的に縁起が良くないとされている言葉のことを指します。
結婚祝いの手紙であれば「別れる」や「帰る」、お悔やみの手紙なら「ますます」「再び」などが一例です。慶事、弔事などの手紙を出すシーンによって少しずつ異なります。基本的には「不幸や苦しみを連想させる言葉かどうか」をポイントに、書いた文章を一度確認してみましょう。
忌み言葉だけでなく、文章中の誤字や脱字にも要注意です。万が一誤字や脱字を発見した場合には、失礼のないよう修正テープなどを使うのは避け、新しい便箋に書き直すようにしましょう。
目上の人には「追伸」は使わない
主文で書いた内容とは別に、一言伝えたいときの書き出しで使われる「追伸」ですが、目上の人へ送る手紙では礼儀に欠ける印象があるとしてNGとされています。
とくにビジネス関係の手紙の場合、手紙一通で簡潔に伝えるのが基本です。もし、後から内容を追加したい場合には「末筆ながら」「末筆ではございますが」などの表現を使いましょう。
目上の人へ送る手紙にぴったりなアイテムを紹介!
目上の人へ送る手紙に使う便箋や封筒にもこだわれば、TPOに合う好印象な手紙に。ここからは、目上の人へ送る手紙にぴったりなアイテムをご紹介します。
メッセージに季節ごとのお花を添えて
エルコミューンの「mois et fleurs レターセット」は、月日と花をモチーフとしたアイテム。清潔感のある真っ白な便箋の上部には、1月に見ごろを迎えるツバキや、4月を代表する花であるチューリップなど、12ヶ月それぞれの季節に咲く花があしらわれています。
封筒の色もモチーフとなっている花の色に合わせたものとなっているため、目上の人へ送る季節の挨拶にぴったりですよ。便箋の表面にはエンボス加工の罫線を施しているため、文章が見やすいのもポイント。活版印刷ならではの凹凸やかすれがあたたかみを感じられるでしょう。
mois et fleurs レターセット
MATOKA
¥528(税込・参考価格)
ギフトに沿える手紙にぴったり
こちらの「CRAFT MESSAGE 一筆箋」は、パーツ調の特殊紙の表紙がチャームポイントの小さな便箋セット。便箋にはクラフト紙を採用しており、あたたかみのあるブラウンカラーが少しレトロな雰囲気です。
書くスペースが少なめの一筆箋タイプなので、お礼や報告などのシーンで一言伝えたいときにぴったり。目上の人へのギフトに沿える手紙としても活躍します。
一筆箋 CRAFT MESSAGE
¥462(税込・参考価格)
活版印刷が上質な印象
ミドリから展開されている「活版印刷のレターセット」は、扶桑社の「文具屋さん大賞2020」にて紹介された注目のアイテム。活版印刷による繊細なレースデザインは細かい網み目まで表現されており、上品でフェミニンな雰囲気が感じられます。
水性ペンや筆ペンとの相性がよいため、目上の人へ送るお祝いの手紙におすすめ。便箋と色味を合わせた封筒は、ポストカードや写真が同封できるサイズ感なのも嬉しいポイントです。
活版印刷のレターセット レース柄 水色
ミドリ
¥484(税込・参考価格)
目上の人の心に残る、丁寧な手紙を書いてみませんか?
目上の人へ送る手紙となると、失礼がないような文章を考えたり、たくさんのマナーを抑えたりしなければならない…と難しく感じる方は多いはず。しかし、基本的な書き方や注意点を確認しておけば問題ありません。今回ご紹介した内容を参考にしながら、いつもお世話になっている目上の人へ手紙を書いてみませんか?
手紙は書き方だけでなく、封筒の閉じ方にもマナーがあるのはご存じでしたか?以下の関連記事では、手紙の封筒の正しい閉じ方について解説しています。こちらもぜひチェックしてみてください。