クロッキー帳を初めて手にする人へ。初心者向けに使い方や使用例をご紹介
文具店や画材店でみかけるクロッキー帳。使ってみたいけど、クロッキー帳とスケッチブックってどんな違いがあるの?そもそもクロッキーってどういう意味なんだろうなど、戸惑ったことがあるかもしれません。そこでこの記事では、初めてクロッキー帳を手にする人に向けて、おすすめの使い方やクロッキー帳の選び方をご紹介します。
真っ白なクロッキー帳で何をしよう?
クロッキー帳とは、絵を練習する際に使うノートのこと。用紙は鉛筆の線がしっかり乗るように、ラフな風合いに仕上げられています。比較的値段が安く、枚数を惜しみなく使えるのが魅力。画力向上にはもちろん、日々のアイデアノートやメモ帳としても使えますよ。
そもそもクロッキーって?
スケッチやデッサンという言葉は耳にしたことがあっても、「クロッキー」はあまり馴染みがありませんよね。なんとなく「どれも同じ絵を描くことなんだろう」ということは分かっても、その違いについては詳しく知らない方が多いのではないでしょうか。それぞれの意味を、改めてチェックしておきましょう。
クロッキーについて
クロッキーとは、フランス語で「人やものを素早くとらえて紙に描写する」という意味の言葉。長くても10分程度で描写する技法のことを指し、デッサンスキルを高めるトレーニングとして行われています。
デッサンやスケッチとの違い
対して、デッサンは動かない人やものをじっくりと観察して丁寧に描写する技法のこと。このとき、色は付けずに線の濃淡で明暗をつけていくのが特徴です。そして、スケッチは人や風景をおおまかに描写する技法のことで、日本では「写生」ともいわれています。主に鉛筆で描くことが多く、仕上げに色を付けることも。
クロッキー帳とスケッチブックの違い
画材店や文具店で売り場が同じことが多いクロッキー帳とスケッチブック。一見すると違いが無いように見えますが、実はそれぞれ用途に合わせた特徴があるんです。
クロッキー帳の特徴
クロッキー帳は「クロッキー紙」と呼ばれる薄い用紙が使われていて、鉛筆でラフ画がよく描けるように紙の表面がザラザラとしています。両面が使えるようになっているので、たっぷりと絵の練習に使うことができますよ。ただ、用紙が薄く裏移りしやすいため、水彩などには向いていません。
スケッチブックの特徴
スケッチブックの用紙には画用紙、ケント紙、水彩画用紙、パステル用紙など様々な種類があり、使う画材に合わせて選びます。強度がある厚みのある用紙がほとんどで、種類によってはにじみ止めの加工がされていることも。ただ、枚数はクロッキー帳と比べると少なめです。
クロッキー帳の使い方
ここからは、初心者におすすめのクロッキー帳の使い方をご紹介します。絵やイラストが上達する方法や、クロッキー帳の新しい使い方などを見ていきましょう。
まずは「クロッキー」から
クロッキー帳を手にしたら、まずはクロッキーを始めてみましょう。
とはいえ、対象物を素早く描写するクロッキーは初心者にとっては難しいはず。そこでおすすめなのが、植物や雑貨など、動かずにじっくりと観察できるものをクロッキーの対象にすることです。他にも、写真に撮ったペットや人物なども◎。
最初は時間を気にし過ぎず、描くことを楽しんでみてください。最初に対象物の大まかな全体像を描いてから、細かい部分を書き込んでいくのがコツですよ。
模写をしてみる
「1から絵を描いていくのは難しいかも…」という方は、イラストや漫画、雑誌の写真など、気になるものを模写するのがおすすめです。お手本となるものを模写することで自然と画力が身につき、絵も上達していきますよ。
上手く絵が描けたら、色を付けてみたくなりませんか?そこでおすすめなのが、プロの漫画家やイラストレーターにも人気のコピックというペン。クロッキー紙は用紙が薄くて裏移りしてしまうので、片面だけで使用するのをおすすめします。
文具の見本帖として
クロッキー帳は絵の練習をするだけでなく、持っているインクの色見本を作ったり、マスキングテープを並べて貼ってみたり…と、文具の見本帖として使うのもおすすめです。お気に入りの文具がページいっぱいに並んでいれば、眺めているだけでご機嫌になれそう。文具を新調するときの参考にもなりますよ。
アイデアメモとして使ってみる
ぱっと思いついたアイデアは、すぐに言語化するのが難しいこともあります。そんなアイデアを書き留めるときにも、クロッキー帳は活躍するんです。
罫線が引かれたメモ帳だと、「何から書き出していこう」「言葉だと伝わりにくいかも…」と悩んでしまいがち。まずは真っ白なクロッキー帳に、図やイラストを使いながらアイデアを書き出していきましょう。自然と頭の中が整理され、人に伝えるのもスムーズになりますよ。
クロッキー帳のサイズの選び方
クロッキー帳にはいろいろな種類があり、どれを選べば良いか迷ってしまいますよね。ここからご紹介するサイズの選び方やブランドの特徴を参考に、自分にぴったりの1冊を見つけてみてください。
B3サイズからポケットに収まるような小さなサイズまで、クロッキー帳のサイズ展開は実に豊富。自分の使い方に合ったサイズ選びが大切です。
クロッキー帳のサイズ一覧(マルマンの場合)
ポケットサイズ | 縦107×横153㎜ |
SQサイズ | 縦176×横155㎜ |
Sサイズ | 縦212×横242㎜ |
Mサイズ | 縦302×横242㎜ |
Lサイズ | 縦356×横268㎜ |
たとえば、外出先で絵を描きたい場合は周囲の邪魔にならないSQやSサイズがおすすめ。トートバッグやリュックにも収まるので、持ち運びにも困りません。さらに小さなポケットサイズなら、より気軽に使えるでしょう。また、自宅で使う場合や広々とスペースを使って大きな作品を作りたい場合は、M、Lサイズがおすすめです。
クロッキー帳でワクワクすることを始めてみませんか?
今回は、初めてクロッキー帳を手に取る初心者の方向けに、クロッキー帳の使い方や選び方をご紹介しました。美術の授業や芸術系の学校で使われているイメージのクロッキー帳ですが、もっと気軽に、もっと自由に使って良いんです。いつものノートとは違うクロッキー帳の書き味は、書く(描く)ことの楽しさを改めて教えてくれるでしょう。
また、こちらの記事ではクロッキー帳と併せて使いたいおすすめの鉛筆を特集しています。洗練されたおしゃれなデザインの数々は、手に取るたびに気分を高めてくれるはず。