【万年筆】カートリッジとコンバーターの違いとは?インクの補充方法やお手入れについて解説
万年筆にはカートリッジ式とコンバーター式の2種類がありますが、どんな違いがあるのか分からない方もいるのではないでしょうか?本記事では、万年筆のカートリッジ式とコンバーター式の違いを解説します。おすすめの万年筆インクもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
万年筆のカートリッジ式とコンバーター式の違い
インクの補充方法
カートリッジ式とコンバーター式の万年筆の大きな違いが「インクの補充方法」です。ここからは、カートリッジ式とコンバーター式それぞれのインクの補充方法について解説していきます。
カートリッジ式万年筆
カートリッジ式万年筆のインクの補充方法は、インクが入った専用カートリッジをペン先に取り付けることで完了します。カートリッジを差し込むときは、しっかり奥まで押し込まないとインク漏れする可能性があるため注意しましょう。
- 万年筆のキャップと軸を外す。
- ペン先を上に向けた状態で、カートリッジをまっすぐ差し込む。
- 軸をはめて、インクが出るかを試し書きしたら完了。
カートリッジ式万年筆のインク補充方法
コンバーター式万年筆
コンバーター式万年筆のインクの補充方法は、基本的にペン先をボトル内へ差し込むだけで完了します。回転式とプッシュ式のどちらを採用しているかによって、少しずつ補充方法が違う点に注意しましょう。
- 万年筆のキャップ・軸を外し、コンバーターを差し込む。
- 【回転式の場合】ツマミを左側へ回してコンバーター内部のピストンを下げたら、インクにペン先を浸しながらツマミを右へ回す。
- 【プッシュ式の場合】ペン先をインクへ浸し、コンバーターをまっすぐにした状態でノック部分を5~6回押す。
- ペン先についた余分なインクを拭き取る。
- 軸・キャップの順に取り付けたら完了。
コンバーター式万年筆のインク補充方法
お手入れの方法
お手入れの方法も、カートリッジ式とコンバーター式で少しずつ異なります。
カートリッジ式万年筆
カートリッジ式万年筆のお手入れ方法は、水を入れたコップに浸すだけでOK。浸しているうちに水が汚れてくるため、汚れが出てこなくなるまでこまめに清潔な水へ交換することが大切です。
- 水を入れたコップを用意する。
- 万年筆のキャップ・軸・カートリッジを取り外す。
- ペン先をコップの水に1~2時間ほど浸す。
- ペン先を取り出し、首軸・ペン先部分を流水ですすぎ、やわらかい布で水気を拭き取る。
- キャップ内部の汚れは、綿棒などで拭き取る。
- しっかり自然乾燥させたら完了。
カートリッジ式万年筆のお手入れ方法
コンバーター式万年筆
コンバーター式万年筆をお手入れするときは、コンバーターを装着したまま行います。汚れがひどい場合は、水に少し浸けておくことで固まったインクが落としやすくなりますよ。
- 水を入れたコップを用意し、万年筆のペン先を浸す。
- 万年筆のキャップ・軸を外し、ペン先を水に浸ける。
- 【回転式】ツマミを回してピストンを上下させ、水を出し入れしてすすぐ。
- 【プッシュ式】コンバーターをまっすぐになるようにし、ノック部分を押して水を出し入れする。
- 乾いた柔らかい布で水分を拭き取り、自然乾燥させる。
- キャップ部分の汚れは綿棒で拭き取り、自然乾燥させれば完了。
コンバーター式万年筆のお手入れ方法
カートリッジ式万年筆のメリット・デメリット
【メリット】インクの補充が簡単
カートリッジ式万年筆が持つ最大のメリットは、簡単にインクの補充ができる点です。インクがなくなったら新しいカートリッジに取り替えるだけでOKなので、コンバーターの扱いが難しい人はもちろん、よく万年筆を使う人もスムーズにインクの補充ができますよ。
未開封のスペア分はまとめて持ち歩けるため、外出先で万年筆を使う際のインク切れにもスムーズに対応できるでしょう。
【デメリット】使えるインクの種類が少ない
万年筆にセットできるカートリッジは、メーカーやシリーズによって規格が異なっているため、使っている万年筆の規格に合うカートリッジしか使えません。
また、頻繁に万年筆を使う場合はその都度スペアのインクカートリッジを用意しておく必要があります。インクにかかるコストが高くなりやすい点は注意しましょう。
コンバーター式万年筆のメリット・デメリット
【メリット】豊富な種類のインクが使える
コンバーター式万年筆の大きなメリットは、インクのバリエーションにあります。ボトルから直接インクを吸入して使う万年筆なので、多彩なメーカーのボトルインクを手軽に試せますよ。
また、専用のコンバーターだけでなくカートリッジの装着ができるものもあります。自宅でゆっくり万年筆を堪能したいときはボトルインク、外出先で手軽に楽しみたいときにはカートリッジといったように、気分や状況によって気軽に使い方を変えられますよ。
【デメリット】インクの補充・お手入れに手間がかかる
使い方の自由度が高い反面、インクの補充や本体のお手入れなどに手間がかかる傾向があるのが、コンバーター式万年筆のデメリットです。特に、インクの吸入には専用のコンバーターが必要になるため、使い慣れないうちはインクを上手く補充できないかもしれません。
カートリッジ式・コンバーター式万年筆&インクのおすすめをご紹介!
それぞれ違った特徴やメリット・デメリットがある、カートリッジ式とコンバーター式の万年筆。ここからは、それぞれのおすすめ万年筆とインクをご紹介します。
人間工学に基づいた書きやすいデザイン
最初にご紹介するのは「LAMY(ラミー)」の「サファリ」。若年層を中心に世界各国の文具ファンから愛されている万年筆シリーズです。
軽量かつ耐久性の高い樹脂製ボディを採用しており、カートリッジ式・コンバーター式の両用タイプであるため、好きなインクを使って筆記を楽しめますよ。
本体上部にあしらわれた大型のワイヤー製クリップもチャームポイント。厚手のジャケットなどのポケットにもしっかりグリップします。
ポップなボディカラーも相まって、高級なイメージが強い万年筆を身近でカジュアルなものにしてくれる、初心者にぴったりなアイテムです。
サファリ 万年筆
LAMY(ラミー)
¥3,432(税込・参考価格)
インクの様子が一目で分かるクリアボディ
続いてご紹介するのは「セーラー万年筆」の「プロフィットJr.透明感」。全てのパーツがクリア素材で作られているのが特徴の万年筆です。
カートリッジとボトルインクのどちらも使えるため、中に入れるインクの色を変えれば、万年筆本体の印象もガラリと変化しますよ。
コンバーターの内部やインクの減り具合など、一般的な万年筆だと見えない部分も一目で分かるため、いつもとは少し違った表情を楽しめますよ。
プロフィットJr.透明感
セーラー万年筆
¥2,970(税込・参考価格)
気分を上げるポップなツートンカラー
こちらは、ドイツの文房具ブランド「Kaweco(カヴェコ)」の「パケオ」。20世紀始めに販売されていた人気シリーズの復刻版です。
別売りのコンバーターを装着することで、カートリッジ式としてもコンバーター式としても使えますよ。
十六角形の本体と八角形のキャップという、シャープさと握りやすさを両立したデザインにより、安定感のある筆記感を味わえます。
スチール素材のペン先による軽快な書き心地も相まって「書く」時間がさらに楽しくなるでしょう。
パケオ 万年筆
カヴェコ
¥2,750(税込・参考価格)
レトロ感のある深い色味にうっとり
こちらは台湾の雑貨ブランド「TOOLS to LIVEBY(ツールトゥリブバイ)」の「ガラスボトルインク」。アンティークの香水瓶を思わせる、おしゃれなボトルが人気の秘密です。
一般的な万年筆用インクは染料・顔料系のものが多いなか、こちらは近年では数が少ない「没食子」のインク。
筆記時は鮮やかな色ですが、インクに含まれる鉄分が酸化していくことにより、深みのあるダークカラーへと変わっていきます。色変化が楽しくて、ついつい何度も文字を書いてみたくなるボトルインクですよ。
ガラスインクボトル
TOOLS to LIVEBY(ツールトゥリブバイ)
¥8,580(税込・参考価格)
四季折々の景色をインクで楽しむ
こちらは「セーラー万年筆」の「四季織」シリーズのカートリッジタイプ。春夏秋冬で変化する景色や天気をイメージした上品な色味が魅力で、全24色ものカラーインクが手軽に楽しめます。
一人でじっくり好きな色を堪能するのはもちろん、友達や家族と好みの色のインクをシェアして楽しむのもいいですね。万年筆用インクの楽しみ方を広げてくれる、素敵なカートリッジインクです。
SHIKIORI カートリッジインク
セーラー万年筆
¥1,150(税込・参考価格)
個性豊かな万年筆を使い分けてみませんか?
カートリッジ式とコンバーター式を両方使い分ければ、それぞれ違った万年筆の楽しみ方を味わえるでしょう。本記事でご紹介したそれぞれのメリットやデメリットも参考にしながら、ぜひあなたにぴったりな万年筆を探してみてくださいね。
万年筆の「ペン先」は、書き心地を大きく左右する重要なポイント。種類や形状によって違った筆記感を楽しめますよ。以下の記事では、万年筆のペン先の種類について解説しています。