誤ってついてしまった接着剤を落としたい!状況や種類に合わせた剥がし方を解説
修理やハンドメイドには欠かせない接着剤。作業の最中に、うっかり手や服に接着剤がついてしまったことはありませんか?固まってしまうとなかなか落ちにくい接着剤ですが、実は簡単な剥がし方があるんです!今回は、接着剤の剥がし方を状況や種類別に解説します。ぜひ最後までご覧ください。
服や肌についた接着剤は落とせる?
布から金属まで、多彩な素材を素早くくっつけてくれる接着剤。ハンドメイドから修理までさまざまなシーンで活躍してくれますが、使っている間に衣類や肌に付着して取れなくなった…という経験をした方も多いのではないでしょうか?
ボンドやアロンアルファなどに含まれる化学物質と樹脂は、空気や水分に触れることで結びつき、取れにくくなります。そのため、時間が経てばたつほど剥がしにくくなってしまうんですね。
でも、ちょっとした剥がし方のコツをおさえれば、固まった接着剤をすっきり落とすことができますよ!早速、接着剤の剥がし方について見ていきましょう。
接着剤を剥がす前に確認したいポイント
接着剤が肌や服についたら、まずは慌てずに種類や状態を確認しましょう。ここからは、綺麗に落とすために確認したいポイントを解説します。
①接着剤の種類
1つ目のポイントは「接着剤の種類」。同じ接着剤でも、アロンアルファのような瞬間接着剤や、ボンドのような水性・木工用接着剤といったようにさまざまなタイプがあります。
種類によって、主成分はもちろん固まる仕組みも違いますよ。固まる仕組みが分かれば溶かす方法も分かります。肌や服についた接着剤がどの種類なのかを確認しておきましょう。
接着剤の種類・特徴一覧
種類 | 特徴 | 例 |
シアノアクリレート系瞬間接着剤 | 水分を含むことで固まるので、アセトンなどの溶剤を使用する必要がある。 | アロンアルファ、ロックタイト |
水性・木工用接着剤 | 空気に触れることで固まる。水分に弱い傾向にあるため、水やお湯でふやかす必要がある。 | 木工用ボンド |
②接着剤の状態
2つ目に確認したいポイントは「接着剤の状態」。硬化前の柔らかい状態なのか、硬化後の固まった状態なのかで、剥がし方や難易度が大きく変わります。基本的に、接着剤は一度硬化してしまうと強力なので、除去が難しい傾向にありますよ。
簡単にできる!状況と種類別に接着剤の剥がし方をご紹介
ここからは、実際の接着剤の剥がし方を状況と種類別にご紹介します。接着剤がついて困ったときの参考にしてみてくださいね!
【布・服】
アセトンを使った剥がし方
布や服に接着剤が付着した場合には、アセトンの原液を使った剥がし方にチャレンジしてみましょう。アセトン自体は除光液やネイルリムーバーなどにも配合されていますが、この場合は原液を使用するのがおすすめです。アセトンの原液はホームセンターでも簡単に購入できるので、ぜひ挑戦してみてください。
- 布巾を3枚ほど重ねたうえに接着剤がついた衣類を乗せる
- アセトンの原液を染み込ませたコットンで叩くように拭き取る
- 完全に拭き取れたら洗濯をする
アセトンを使った剥がし方
アイロンを使った剥がし方
瞬間接着剤が衣類についた場合は、アイロンを使った剥がし方もおすすめ。瞬間接着剤は熱に弱い傾向にあるので、アイロンの熱をゆっくり当てることで接着力を低下させられるんです。
- 接着剤がついた衣類をガーゼで挟む
- 上から60℃程度のアイロンを押し当てる
- カーゼの位置を変えながら繰り返し、接着剤汚れが完全に取れたらOK
アイロンを使った剥がし方
【肌】
お湯を使った剥がし方
ボンドや瞬間接着剤が肌について固まっている場合には、お湯を使った剥がし方で簡単に溶かすことができます。アセトンなどの薬剤や道具を使わないため、肌に優しい方法ですよ。
- 40℃程度の適温のお湯を洗面器に溜める
- 接着剤がついた部分を浸し、優しく揉みほぐす
- 固まった接着剤が柔らかくなり、取れたら完了
お湯を使った剥がし方
除光液を使った剥がし方
瞬間接着剤が肌についた場合には、ネイル落としに使われる除光液を使った剥がし方もおすすめです。除光液にもアセトンが含まれているため、肌を傷つけずに接着剤を落とすことができますよ。とはいえ刺激物なので、接着剤が取れたらしっかり手も洗い流しましょう。
- 接着剤が付着した部分に除光液をつけて2~3分放置する
- 固まった接着剤がふやけてきたら、端からゆっくり剥がす
- 剥がし終わったら肌をぬるま湯とハンドソープで洗い流す
除光液を使った剥がし方
【家具】
リムーバーを使った剥がし方
家具のなかでも木材・金属・ガラス素材のものであれば、リムーバーを使った剥がし方がおすすめです。接着剤専用のリムーバーには、除光液と同様にアセトンをはじめとした接着剤を溶かす成分が配合されていますよ。
- 接着剤が付着した部分にリムーバーを塗って数分放置する
- 布で拭き取る
- 固まった接着剤が落ちるまで、これを繰り返す
リムーバーを使った剥がし方
サンドペーパーを使った剥がし方
プラスチック素材の家具であれば、サンドペーパーを使った剥がし方も活用してみましょう。サンドペーパーの凹凸が、固まった接着剤を削り落としてくれます。
- 接着剤が付着した部分接着剤がついている以外の傷つけたくない場所をマスキングテープで養生するにリムーバーを塗って数分放置する
- 最初は粗目のサンドペーパーで擦る
- 次に、サンドペーパー使用後のザラザラ感を抑えるため、表面が細かいものを使う
サンドペーパーを使った剥がし方
接着剤を剥がす際の注意点とは?
接着剤を剥がす際には、注意すべきことがあります。物や肌を傷つける原因になってしまうため、決して無理やり剥がすような方法は取らないでくださいね。
固まった接着剤はゆっくり優しく剥がそう
固まってしまった接着剤を剥がそうとして、力強くこすってしまう場合もあるかもしれません。しかし、強くこすってしまうと衣類や肌を傷めたり、家具の塗装が剥がれたりする可能性があります。そのため、固まった接着剤は焦らず時間をかけてゆっくり剥がしてください。
薬剤を使うなら目立たないところで試してから実践しよう
アセトンの原液やリムーバーなどの薬剤を使う場合、プラスチックや金属など素材との相性によっては変色してしまう可能性があります。そのため、本格的に剥がしはじめる前に目立たないところで一度試してみて、変質や変色がないかをチェックしてください。
薬剤系を使うときは必ず換気しよう
アセトンや除光液などの薬剤系を使う場合は、必ず換気をしながら実践してください。気化したアセトンを吸うと頭痛や気管支炎などの原因につながる場合があります。また、直接触れるとかゆみが出てくることもあるので、使い捨てのビニール手袋を着用しましょう。
便利なアイテムでより効率的に接着剤を落とそう
上記の方法でも接着剤が落ちない場合は、接着剤を落とすのに便利なアイテムを試してみて。固まってしまった接着剤を剥がす強力アイテムをご紹介します。
使い方に合わせてヘッドが可動。OLFA/別たちプラス
こちらは、カッターナイフが有名な「OLFA(オルファ)」の「別たちプラス」。ヘッドパーツの表裏を変えることで、カッターとスクレーバーの2つの役割を1本で担えるのが魅力です。
さらに、ヘッド部分は11段階で向きの調整が可能。細かい部分に付着した接着剤の剥離にも使いやすいでしょう。
別たちプラス
オルファ(OLFA)
¥1,090(税込・参考価格)
吹き付けて拭くだけですっきり!メモリーターフ/タフリムーバー
こちらは、天然オイル配合のスプレー「タフリムーバー」。吹きかけるだけで接着剤が簡単に剥離する、手軽なアイテムです。
接着剤が付着した部分にスプレーを吹きかけて、少し休ませて拭き取ると綺麗に除去できるんだとか。天然のオレンジオイルを配合しているため、使用中に嫌な匂いがしないのも魅力的ですね。
タフリムーバー(接着剤専用剥離剤)
¥2,980(税込・参考価格)
頑固な接着剤は正しい剥がし方ですっきり落とそう
頑固でなかなか落ちにくい接着剤ですが、素材にあった方法をチョイスすることですっきり落とせるようになりますよ。ぜひ今回ご紹介した剥がし方やアイテムを取り入れてみてくださいね。
接着剤も頑固ですが、万年筆のインクを落とすのに苦戦した方も多いのではないでしょうか?こちらの記事では、インクの染み抜き方法について解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。