文具界における縁の下の力持ち!セロハンテープの豆知識
工作や事務作業において、なくてはならない存在といえる「セロハンテープ」。今でこそあたりまえに使っている文具ですが、どのように誕生したのかご存知ですか?実は、セロハンテープは世界各国における研究の末に誕生した発明品なんです。今回は、そんなセロハンテープの豆知識についてご紹介します。
「セロテープ」と「セロハンテープ」の違いって?
ところで、普段の会話の中で人によっては「セロハンテープ」や「セロテープ」といったように呼び名に違いがあり「どちらが正しい名前なんだろう…?」と思ったことがある方もいるのではないでしょうか?
実は「セロテープ」はニチバン株式会社が販売している商品の名前であり、セロテープを含めた文具の総称が「セロハンテープ」。つまり、この文具の正式名称としては「セロハンテープ」が正解です。
しかし、セロテープが日本で誕生した初めてのセロハンテープであり、誕生して以降しばらくは日本でセロハンテープを買う場合はセロテープしかなかった時代が続いていました。そのため「セロハンテープ=セロテープ」というイメージが現在でも強く残っているそうです。
世界各国で開発された一大発明!セロハンテープの歴史
今でこそ何気なく使っているけれど、謎の多いセロハンテープ。実は、世界各国の人々が待望した一大発明品なんですよ。ここからは、セロハンテープ誕生の歴史についてみていきましょう。
人々の願いがセロハンテープを生み出した?
セロハンテープ誕生の地はアメリカ。セロハンテープのベースとなる素材には「セロハン」が使われていますが、元々セロハンはその透明感や見た目の美しさから、1920年代のアメリカでプレゼント用の包装紙として多く使われていました。
しかし、当時販売されていた粘着テープは布製と紙製のみ。セロハンの透明感を損なわずにラッピングをするのはかなり困難でした。もちろん、当時から「包装紙と同じセロハンで粘着テープは作れないか?」という考えはありましたが、セロハン素材には裏表がなく、片面だけに糊をつけられないことから不可能とされていました。
「100万ドルの発明」と呼ばれるように
「もっと綺麗にセロハンでのラッピングがしたい」という人々の願いをもとに、立ち上がったのがアメリカの発明家であるリチャード・G・ドルー氏。
ドルー氏はマスキングテープの開発者であり、そのときのアイデアをもとにセロハンに糊を安定してつけるための試行錯誤を開始しました。
ドルー氏は、セロハンの透明感を維持しながら貼れるように、乾燥すると透明になる天然ゴムと樹脂を合わせた粘着剤を開発。セロハンに安定して粘着剤を塗布するための下塗り薬を併用することで、それまで不可能とされてきたセロハン素材のテープを実現させることに成功したのです。
セロハンテープが誕生したのは1930年頃のこと。当時は1929年から始まった世界恐慌が世界的に波及していた時代であり、世間はまさに不景気・節約ムードの真っ最中でした。
節約ムードの中、身近な生活用品を何度も修理して使い続けていた世間において、元の素材の質感を損なわずに修理できる透明なセロハンテープは大流行!本来のラッピングだけでなく、さまざまな用途に活用できることから莫大なヒット商品となり、セロハンテープは「100万ドルの発明」とも呼ばれています。
日本のセロハンテープのルーツは「絆創膏」
日本でセロハンテープが誕生したのは、太平洋戦争が終結した1948年頃。当時はGHQが検閲した手紙の封をするためにアメリカからセロハンテープを持ち込んでいましたが、輸入の遅れによる品不足や輸入にかかるコストに悩まされていました。
そこで日本国内でセロハンテープを調達できるようにするため、開発を担当することになったのが、現在のニチバン株式会社である歌橋製薬所です。
当時の歌橋製薬所は、すでに絆創膏の製造による粘着テープの製造技術を持っており、絆創膏の製造技術をもとに発注からたったの1ヶ月で試作品が完成。誕生の地であるアメリカにて開発に約10年もかかったセロハンテープを、短い期間で高みへと引き上げた日本の技術にはGHQの将校たちも驚いていたようです。
試作品の時点では気温や季節による粘着剤の劣化という課題を抱えていましたが、その問題も天然ゴムを使うことで、季節問わず安定してくっつくセロハンテープの開発を実現しました。
1948年には国内向け商品として、日本初のセロハンテープ「セロテープ」が誕生したのです。
ちなみに、セロハンテープの端がめくれないときには、テープやシールを上から重ねて貼り付けてから、ゆっくり剥がすことでめくりやすくなります。また、使った後のテープの端にクリップを挟むことで、端がめくれなくなるのを防げますよ。
セロハンテープをおしゃれに使えるテープカッターをご紹介!
2種類のテープを自由に使い分けられる
最初にご紹介するのは「+d」の「tape+tape」。1台に2種類のテープをセットできるテープカッターです。自転車のタイヤのように並んだテープホルダー部分にはくぼみが付いており、軽い力で安定してテープをカットできますよ。
カッターの刃部分には適度な角度が付いているため、2種類のテープのどちらも綺麗にカットしやすくなっています。セロハンテープだけでなく、さまざまなデザインのマスキングテープを組み合わせてセットすることも可能なので、組み合わせによって自由にコーディネートするとおしゃれですね。
Tape+Tape
+d
¥660(税込・参考価格)
作業効率を上げてくれそうなインダストリアル感が魅力的
こちらは「penco」の「テープディスペンサー」。インダストリアル感のあるスチール製のテープカッターです。サビや傷に強いハンマートーン仕上げを採用しており、細かな凹凸による独特な触り心地は思わず触れたくなりますよ。
底面にはネジ穴が付いており、壁や作業デスクに固定することも可能です。カラーバリエーションはレッドやグリーンなどの4種類。どれもアンティーク雑貨のように落ち着きのある色味なので、作業デスクにスマートな印象を与えてくれるでしょう。
テープディスペンサー S
PENCO
¥1,870(税込・参考価格)
注意表示すらもおしゃれなセロハンテープ入れ
「Tape Dispenser for Two Rolls」は、セロハンテープ発祥の地であるアメリカのテープ関連メーカーMERCO TAPE社が開発したおしゃれなテープカッター。1台で2種類のセロハンテープをセッティングでき、個別にカッター部分が付いているため、オフィスでもスムーズに使いやすいでしょう。
テープカッターの正面には注意事項が書かれていますが、文字の配置や添えられたシンプルなイラストがデザインのアクセントとなり、スタイリッシュな雰囲気を漂わせています。
Tape Dispenser for Two Rolls
MERCO TAPE
¥13,200(税込・参考価格)
便利なセロハンテープについてもっと知ってみませんか?
普段私達が何気なく使っているセロハンテープですが、その誕生には当時の人々の生活と開発者たちの願いが込められています。ぜひ今回ご紹介した歴史も楽しみながら、便利なセロハンテープについてもっと深く学んでみませんか?
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